ページ

2017年6月7日水曜日

練り歩け、死の彼方まで!

 8(木)から始まる中央区古物商星屑伝説『点店5』の準備が終わりました。というか、いつものことではありますが、終わったことにしました。そうでも思わなければ、ドガの絵が加筆と直しによって完成の日の目を見ることがないがように、点店の準備も永遠に終わらない気がするのです。今回のタッグパートナーは、文教都市国立で美味しい料理やプリンを出したり、民間信仰遺品などを売っている、他にあまり類例のない店「台形」の伏木さんです。点店には、作られた意図が不明な木彫品を多く出してくれました。それらがズラリと並ぶさまは、あたかも東京ガールズコレクションのランウェイを練り歩くモデルたちのようです。と言おうと思って写した写真を見てみたら、どちらかというとレミングの死の行進のようでした。なんにしても、いろいろな意味で素敵な展示だと思いますので、ぜひ見にいらしてください。
 陳列終了後はイベントの盛会を祈念して、日本中華料理界の至宝「中華シブヤ」に行ってきました。なんだか胸がいっぱいで食欲もあまりなかったのですが、ビール中瓶とホイコーローとエビトーストと鳥唐揚げとライスとラーメンを注文しました。これで3,180円。安いですね。シブヤはこの八丁堀の地で50年続いているそうです。逆光もあやからなければいけません。それでは『点店5』、どうぞよろしくお願いいたします!






何か気になるものが写り込んでしまっていたら、
ぜひ駆け付けて現物をご覧になってください。 

2017年6月1日木曜日

六つ数えろ

6/3(土) 日本橋こっとういちに出店します。

6/8(木)〜11(日) 中央区古道具イベント『点店5』開催。
イベント準備のため6(火)は16時に閉店、7(水)は臨時休業いたします。

インスタグラムで店内商品を紹介しております→👃


 早くも6月。混迷した現代の日本社会を象徴するようだった5月の当店の経営状況。と、取ってつけたように政治のせいにしてみたりして、ため息の花だけ束ねたブーケが口から漏れる今日この頃。しかし6月はイベントの季節です!以前にご紹介したように、古物の企画だけ拾ってみても、人は東日本橋・新川・八丁堀・新富町⇄神楽坂⇄南青山のサイクルを永劫回帰のように廻らなければならないのです。この時、各店舗の社会的地位だとか推定総資産額などを考慮に入れたりしてはいけません。ただフラットに虚心にそれぞれの古物を見て、一体何が必要で何が必要でないのか、見分ける力を持っているのが若さだと思う。という代々木オリンピックプールの尾崎豊的スタンスも時にはアリなのかもしれませんね。なにはともあれ上半期最後の月、この商売これからが本格始動ということで、どうぞよろしくお願い致します。


ヒリヒリするような危うい均衡の上に成り立つ現代の縮図



2017年5月29日月曜日

Textbook、Grass

31(水) 出張業務のため17時開店です。
6/3(土) 日本橋こっとういちに出店します。欲張って店舗も開店します。

6/8(木)〜11(日) 中央区痛快古道具イベント『点店5』開催。

インスタグラムにもお目通しください→👃


 川越のうつわノートさんで27(土)から始まった『教草 古布展』に行ってきました。ふだんは、やきものという堅固な物体を扱うギャラリーで、布みたいに形の定まらないものがどう並ぶのかがまずは見所ですが、ディスプレイ界のカール・ゴッチと称される松本さんの手によって、あたかも創業150年の老舗の布屋のような陳列が実現していました。松本さんの手腕、おそらくは涙ながらに集められた教草さんの古布、そこに花を添えるうまこしさんの古物、これらが三位一体となって、一度踏み込んだら容易には去り難い空間が形成されています。
 教草さんを初めて見かけたのは、3年ほど前、彼女が出店を始めた頃の大江戸骨董市です。一見すると本人と不釣り合いな渋い古裂を前にしている姿をパッと見た時は、お母さんの留守番なのか?と思ったものですが、素人目によく見れば、品物の選択に眼が利いていて、なんだかわけもなく欲しい気にさせられました。どうも二代目どころではなく、大学の研究からの流れで好きが高じて始めたということですから、まさに古布・古裂界のヌーヴェルヴァーグです。シネフィルならぬ布フィルですね。仕覆やら巾着袋やら、創作のための二次的な存在に思われがちな古布を、布そのものの魅力を際立たせて見せているのが斬新に思えました。今回の展示は、その新しい波の結節点ともなる晴れ舞台というわけです。ぜひ足を運んでみてください。6/4(日)18時まで。

自分で六代目になります。と松本さんが言っても、信じて
しまいそうな老舗感。                

初日の光景なので、すでに売約済みももちろん多数あります。




布はよく分からないや、という人も欲しくなる布がきっと
あります。ハギレ1枚でもまず手元に置いてみてください。 
ドカッと腰を下ろすと、すっかり落ち着いてしまう
畳の間。危険です。              





2017年5月26日金曜日

三俵の大黒天

 一瞥しただけでは小さな黒い塊ですが、よく見れば俵の上に乗って袋を担いでいるので、大黒像であることは分かります。しかし割と変な大黒さまです。米俵を三つ重ねて乗ってますね。たいてい二俵ですが、それは米二俵の食い扶持で足れりとする清廉な心を教えているとのこと。だとすればこの大黒さま、常より1.5倍ほどの貪欲さを示し、そのぶん多くの福をもたらしてくれるかもしれません。川崎の金神神社の福寿大黒天(江戸時代)が三俵に乗っかってるので、類例があることはあるようです。が、俵の向きはふつう端の桟俵を前にすると思うのですが、どういう事情によるものか、これは側面。そのため、なにやら土管の上にしゃがみ込む謎めいた人物に見えます。ブランクーシかアンリ・ゴーディエ=ブルゼスカを1世紀以上先取りしたかのような抽象的な造形、虫喰いの痕も好ましい魅力に満ちた大黒さまです。お手元にぜひ。




高さ6.4×俵の巾3.1センチ
江戸時代
彫りによるものなのか光の加減のせいなのか、怒った顔
にも見えます。元はインド発祥の憤怒の形相をした神様で
あったそうですから、系譜学的には正しい表情であるとも
言えます。                     

七宝が入っているとされる袋。こんもりとした
彫りがかわいらしいです。         


28,000円


2017年5月23日火曜日

器官なき身体としてのイベントツアー

24(水) 出張業務のため17時開店。
27(土) 仕入とイベント『第12回 詩について・対話篇』が重なるため店舗は臨時休業いたします。ご容赦くださいませ。
28(日) 東京国際フォーラムの大江戸骨董市に出店いたします。

6/8(木)〜11(日) 『点店5』開催。

インスタグラムもよろしくお願い致します→👃


 万物の動きに満ちる季節、小満。そして芒種、夏至とこれからの時期、それぞれの場所でさまざまなイベントが開かれる模様です。耳に入っているところだけを挙げてみても、下のようにたくさんの催しが予定されていますから、見逃しがないように今のうちから綿密な計画を立てておかねばなりません。などと取ってつけたように余計なお世話を焼くのは、我々が企画している『点店』もぜひ巡回の候補に入れておいてくださいねという、可愛げと姑息さの入り混じった念押しと言ったところでしょうか。

5/19(金)〜6/5(月) circle(谷保)『POP LIFE』
5/27(土)〜6/4(日) うつわノート(川越)『教草 古布展』
5/27(土) ギャラリーブリキ星(西荻窪)『まるしかく』
5/30(火)〜6/4(日) 森岡書店さんのはち(銀座・新富町)『多肉植物生活のすすめ』
6/2(金)〜6/11(日) 白日(鳥越)『渡辺遼個展』
6/8(木)〜11(日) 『点店5』(東日本橋・新川・八丁堀・新富町)か
6/9(金)〜11(日) DEE'S HALL(南青山)『A.A.A.A.第三回展 変化・変容
6/9(金)〜11(日) 『青花の会|骨董祭2017』(神楽坂)
6/9(金)〜7/9(日) 丘の上 APT 兒嶋画廊(国分寺)『縄文シャワー展示室展
4/8(土)〜9/17(日)『ドクメンタ 14』(アテネ・カッセル)
5/13(土)〜11/26(日) 『第57回ヴェネツィア・ビエンナーレ国際美術展』(ヴェネツィア)
 
 特に6月の第2週あたりはイベントが集中してますから、スケジュールを考えているうちに「この『点店』とかいうのは、よく分からないから別に行かなくてもいいかな」とか言い出す人がいやしないかということを何よりも怖れます。シネマテーク・フランセーズの創設者アンリ・ラングロワは、映画について価値判断ばかりしたがる批評家を難じて、「菓子屋に入って菓子を買って食べもせずに、ただ眺めて品定めするなんて!私は次から次へと菓子を食べてしまいたい。みんな美味そうに見えるし、事実、美味いに決まってるんだ」と言ったそうですが、その顰みに倣って、イベントだって行けば何だって楽しいに決まってるんだ!と強弁してみたくなります。
 ヴェネツィアから帰ってきた足で銀座新富町界隈で多肉植物を愛でて、そのあとに川越へ古い布を買いに行ってもいいし、神楽坂で巨大な信楽の壺をゲットしたままカッセルまで飛んだっていいわけです。一定の価値判断を揺るがし続ける縦横無尽に錯綜したイベント群。眼と手と足におけるアナーキズム。というわけでイベント目白押しの季節ではありますが、『点店5』をどうぞよろしくお願い致します。


網膜に映り込んだDMのイベントにはすべて出掛ける気概を見せたい
この季節。もはや夏の様相ですが、梅雨寒で気温が下がるときもある
かもしれません。なにとぞご自愛くださいませ。         




 
 


2017年5月15日月曜日

八国丁立堀

5/17(水) 出張業務のため17時に開店
5/21(日) 東京国際フォーラムの大江戸骨董市に出店

6/8(木)〜11(日) 中央区古道具イベント『点店5』開催

インスタグラムもぜひご覧ください→👃


 もしかして地球の自転速度って上がった?と思ってしまうくらいに、月日の流れが早い今日この頃。ちょっと前までゴールデンウィークだったはずなのに、今やそんなものは始めから無かったかの如く人々は生活しています。人間たちの営みの気配が失われしゴールデンウィークの八丁堀。苦肉の策として、均一本大放出企画と日本橋こっとういちへの出店を敢行しまして、連休期間中をお蔭さまで楽しく過ごすことができました。ご来店お買い上げの皆さまに感謝申し上げます。楽しすぎて写真を撮ることを忘れてしまっていますが、写真なんかなくても、遠ざかる雲のような5月のメモリーは、きっと心の中に生き続けていくことと思います。
 さて6月の第2週には、中央区に恒星のように点在する古物業者たちによるイベント『点店』が開催されます。お蔭様でこの度で5回目を数えることとなりました。今回は少し毛色が変わりまして、コレクターズスペシャルと銘打ち、各店舗の商品に加えて、それぞれがお付き合いのあるコレクター氏に品物を出していただき並べるという企画。商品情報は追って各店よりFacebook等でアップされるはずなので、少しばかりは胸をときめかせながらお待ちください。
 逆光が協力を仰いだのは、昨年2月に当店にて作品展示をしていただいた伏木庸平さんです。もっとも伏木さんの場合、国立で飲食と古物を扱う店舗『台形』を経営(伏木さんは古物担当)していますから、正確にはコレクターではありません。ただ生半可な業者の及ばない買い度胸と目筋の純度の高さによって手元に招来された品々が、逆光でどんな化学反応を起こすかが見たくて、出品をお願いした次第です。先日、挨拶がてら久々に台形に行ってまいりましたが、相変わらず変わった空間でした。絶えず何かがズレて生成しているというのか・・飲食と古い物と聞けば、割とありそうな組み合わせに思えるのに、現実の店は唯一無二。にもかかわらず、当人たちがそれをことさら新しぶって見せてないところが、また変わってます。え、だってオカシくない?と、こっちのツッコミを誘発するインタラクティブな店舗作りを目指しているわけでもなさそうです。気にはなっていたけど、まだ行ってないという方、ぜひ一度お運びください。そして逆光とのフュージョンがどんなものになるのか、今から妄想しておいていただけたら幸いです。


書肆逆光店内。埴輪の残欠、ベークライトの椅子、
奉納剣、穴あけパンチ、漆椀など、どれもが有機的な
関連性を際立たせつつ並んでいる・・とはとても言えない
陳列。                      


台形。キッチン入口壁面。聖人像や土俗面など。

飲食担当の台形店主。一般の飲食店に比べると、かなり
イレギュラーな店内だと思うのですが、店主は特に意に介さず。 

虫喰いの像やらぶち割れの仏花器やら。 
絵馬やら神像やら。

棚上段は松本辺りの道祖神でしょうか。いいですね。


絶対的な美味さを誇るプリン。
江戸期の神像とともに。

妖しく照らし出されるケースの中のプリン。

壁面のアクセサリーコーナー。



護符各種。












 
 

2017年5月5日金曜日

人は城、人は石垣、人は堀

5/6(土) 日本橋タワー広場の日本橋こっとういちに出店。店舗はお休みいたします。

6/8(木)〜11(日) 『点店5』開催!

商品をインスタグラムにアップしています。どうぞご覧ください→👃

 彼を知り己を知れば百戦して殆うからず。なにかと戦国大名の名言や孫子を引き合いに出してくる人というのは概して胡散臭いものですが、6(土)に出店する「日本橋こっとういち」が首尾よく運ぶために、開店前に場所の確認と周辺の市場調査をしてまいりました。前日まで開催場所を知らずにいるという時点で、すでに負け戦の様相ではありますが、実はそこも駆引きに含まれているのだ、と敢えて言ってみたい気分です。
 開催場所の日本橋タワー広場は、髙島屋日本橋店を日本橋方向にもう少しだけ進んだところで、立地は抜群です。抜群すぎて、八丁堀とのギャップにちょっとモジモジしやしないかと却って心配です。銀座の煩雑さに比べれば落ち着いた雰囲気なので、街歩きを楽しむならば日本橋の方がおすすめです。江戸の繁栄を今に感じながら歩いていると、ふいに視界に飛び込む謎めいた古物群。なかなかの醍醐味ではないでしょうか。
 MAREBITO 、さんのはち、No CONCEPT各店も出店します。うち一店舗では心許なく容易く折れてしまいそうなところを、四店共々となれば一挙に心強くなるという、図らずも毛利元就の三矢の教えに基づいてしまっているあたりが、なんとも取って付けたようで恐縮です。皆さまのお越しを心よりお待ちしております。


日本橋タワー 
開催場所のタワー前広場。立地が良すぎて腰が引けます。

日本橋再開発で隣りも何やら建設中。

斜め向かいには丸善日本橋店

髙島屋日本橋店