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2017年12月14日木曜日

音速の生徒たち

12/15(金) 『小江戸骨董市』展示設営のためお休みです
12/16(土)17(日) 『小江戸骨董市』うつわノート川越

12/20(水)21(木) 仕入のためお休みです

12/22(金) 『頁の戯れ』展示設営のためお休みです
12/23(土)〜29(金) 植木智佳子『頁の戯れ』

インスタグラムもぜひ→👃


 師が走るぐらいならば、我ら下っ端どもはマッハの速度で世界を駆け抜けなければならない。わけもなくそんな強迫観念に駆られる年末ですが、皆さまいかがお過ごしでしょうか。改めてスケジュールを書き出してみると、展示会やその準備や仕入などで、まともに店を開けられる日数もほとんどないことが判明して驚きます。もっとも「いつだってまともではないけど?」と言われそうですが、そしたら「うむ」と笑って窓の外を見るぐらいの余裕は欲しいものです。
 直近では川越うつわノートさんでの『小江戸骨董市』。志村道具店トトトト質環の各氏と逆光の4店舗の出展です。会期2日とも4人在廊予定ということで、下手したら、むくつけき男たちが犇めき合ってるだけのイベントになりかねないので、年の瀬のお忙しい中ではありますが、ぜひ皆さま万障お繰り合わせの上お越しくださいませ。おそらく四者四様の涙まじりに仕入してきたものが並ぶはずです。
 それから植木智佳子さんの個展『頁の戯れ』ですね。おととしに森岡書店茅場町店、去年新川のマレビトと来て、今年は弊店にての開催となりました。岩絵具を使っているので日本画の範疇に入るのでしょうが、展示する店舗に合わせて支持体を変えているのが面白いところです。マレビトさんの時には古道具に絵が描かれました。今年は古書の頁を繰って絵具がのります。展示会場が徐々に西に進んでいるので、来年あたりは出光美術館などでの開催もあるかもしれません。青田買いは今のうちです。会期最終日の29日が逆光の本年最終営業日です。最後の最後までお付き合いください。


火消し道具の鳶口の柄の先にスワッグをぶら下げて、背景にはネウマ譜を
貼っています。クリスマスの飾り付けのつもりでしたが、あまりの
寒々しさに気づく人もいません。なかなか侘びた風情だと思ったのですが。








 

2017年11月29日水曜日

お知らせたち

12/7(木)〜9(土) 『点店終点
12/16(土)・17(日) 『小江戸骨董市』於 うつわノート川越店
12/23(土)〜29(金) 植木智佳子個展『頁の戯れ』


 ヒマを再結晶化させたかのような純度の高いヒマさ加減に翻弄される時もあれば、これ見よがしに気忙しい時もあるのが人生です。12月は端から見て、そこそこ忙しぶってるぐらいにスケジュールが埋まっていて有り難いことです。
 まず『点店終点』ですが、DMには「いよいよファイナル」などと銘打ってあって、どこかLAST GIGS的な何かが漂っているようないないような気配があります。音楽性の相違による解散なのか?と聞かれたりもしますが(しませんが)、実状は来年度のノー・コンセプト店舗移転のため、現行の形を一度終わらせましょうという話です。商店街の空き店舗前で、おニイさんがお立ち台に上がってメガホンで「いよいよ今日明日かぎりの激安価格」と呼び込みしてるアレがイメージに近いでしょうか。毎度のことながら、各店舗泣きながらの仕入にギリギリまで奔走します。
 そして『小江戸骨董市』。康芳夫と肩を並べるとさえ云われるあの辣腕プロモーター、うつわノートの松本武明氏が、いよいよ大江戸骨董市の対抗軸として掲げたプロジェクトのプロトタイプなのか?と聞かれたりもしますが(しませんが)、実際は師走の気が逸るなかで、古物でも見てひと息つきましょうというほのぼのとした企画です。しかし出店メンツは、当店にしてみれば「みな我よりえらく見ゆる日よ」と啄木魂に苛まれてしまうような人たち。見応えあると思います。会期は二日と短いのですが、散策を兼ねてぜひお運びください。川越在住歴のある逆光店主が、小江戸の名店をご案内いたします。と言っても「餃子の満洲」ぐらいしか知らないのですが。
 古物企画二連発、年も押し詰まる感のある中のお越しを心よりお待ちしております。
 さらにいよいよ年の瀬も押し迫ったところで、個展の追い打ちです。植木智佳子『頁の戯れ』。古書、岩絵具、文字、詩歌・・。小さな雑居ビルの一室で、静かなポエジーが炸裂しそうな予感がする展示会です。概要はまた追ってお知らせいたします。
 今年も各方面の皆さまのお蔭で、素晴らしい一年となりました。と、締めの挨拶にはまだ早いのですが、残りの2017年もどうぞよろしくお願申し上げます。


なにかしら愉しいものがある、と信じたい店内。

企画展示の多い昨今ですが、お時間を割いていただけたら
幸いです。                     




 

 
 







2017年11月12日日曜日

いまなぜ零細業者なのか

11/19(日)まで松井寛泰写真展『Labyrinth』開催中です。
11/25(土)・26(日) 『目黒セントラルマーケット』に出店します。
12/7(木)〜9(土) 『点店終点


点店、それは中年の心の中にいた青春の幻影・・。ふいに聞こえてくる城達也の声に耳を澄ましながら頁をめくれば、ブラー系エフェクトのように滲む紙面。それは涙のせい?それとも老眼?さて、皆さまにご愛顧をいただいておりました中央区古道具店合同買い廻り痛快企画『点店』も、いよいよ次回12月の開催を以てファイナルと銘打つこととなりました。そしてこの素敵なタイミングで、現在発売中の「オズマガジン12月号」の誌面にて点店のことをご紹介いただいております。しかも6頁も。誌面構成のこの破格ぶりに、思わず版元のスターツ出版の会社概要をサイトでチェックしてみましたが、特に何も分からずじまい。
 4店舗が集まってのインタビューが載っているのですが、これが90年代初め頃に結成されたインディーズバンドの解散記事みたいな趣きがあって、懐かしいような微笑ましいような気持ちになります(ならないかもしれません)。本誌ではボツになりましたが、マレビト前の橋の上で雨のそぼ降る中を撮った写真が、エピック・ソニー時代のエレファントカシマシのアルバムジャケットのようで、割といいと思いました。時代の一風景が雨と涙と川の流れのせいで、彼方に霞んでいくのでした。
 そしていま店舗では、松井寛泰写真展『Labyrinth』を開催しております。物体が放つ光に対してレンズやカメラを使って光学的操作を行い、それを感光剤に照射させてから、現像・焼き付け等で紙等の支持体に像を定着させるのが、写真の定義です。字義どおりに真を写すと解釈すると語弊があって、本来は光を結像させる光画です。フォトグラフの光画性をいっそう強調するために、工程の手数をやけに多くせざるを得ないその拘りは、むしろ滑稽でさえあるのですが、花鳥風月好きの日本人には、その反自然性を構築するための滑稽さはよく理解するところではないようです。
 セザンヌ、ジョイス、ゴダール、吉増剛造、川久保玲、坂田和實・・そのジャンルが持つ制度性を明確に際立たせながら仕事する人たちに、松井寛泰も連なるひとりのように思えます。19(日)までです。ぜひご高覧くださいませ。


今、万感の思いを込めて・・みたいなノリで。



外光の射し込み方でかなり見え方が違います。ぜひ何度も
お運びを。                     


詩人の手みやげです。心憎いですね。



2017年11月6日月曜日

リットゥ

11/11(土)〜19(日) 松井寛泰写真展『Labyrinth
9(木)・10(金)は搬入・陳列のためお休みです。

11/25(土)・26(日) 『目黒セントラルマーケット』に出店

12/7(木)・8(金)・9(土) 『点店終点』


 止まない雨はない。ということで、日曜はひと月ぶりの行商でした。灰色の空から落ちてくる雨が、まるで露店商たちの涙のように見えた10月を何とかやり過ごして、霜月一週目の日曜日は恩寵のような快晴。ただ前日までの暖かな空気が一変して、ジッとしてると底冷えしてくるような寒さでした。あまりの寒さに3時を回る頃には帰り支度を始めて早々に撤収、浅草のフルーツパーラーゴトーへ。店の前は結構な人だかりで、この寒いのにみんなよくパフェなんか食べる気になるな、と呆れながら4種の柿のパフェ(1,280円)というのをいただきました。ほんとは洋梨のパフェが目当てでしたが、用意してた分が切れてしまい追熟中とのこと。一両日中には再開するそうなので、お出かけの際には問い合わせを入れるといいかもしれません。
 しかし本当に言いたいのはそんなことではなく、松井寛泰展の宣伝をしないといけないのです。日本ではオリジナルプリントで写真を見るという習慣が根づいていませんが、松井さんの職人肌が遺憾なく発揮されたゼラチンシルバーによるプリントの美しさを体感するには、実物を見ないでは始まりません。職人気質ということでは、先日展示会を催した小野寺公夫さんとも共通するところがあって、図らずも「まだ見ぬ職人列伝」のような展示が続くことになります。
 写真は複製可能なペラペラの1枚の紙ではなく、もっと絵画や彫刻のような物感を携えたモノであることが、オリジナルを目にすると分かると思います。松井寛泰の写真を見たあとは、浅草に出て洋梨のパフェを食べるというのもいいでしょう。皆さまのお越しをお待ちしております。

善光寺参りと同じく、一生に一度は見ておかないと
いけない写真です。              

富有柿と太秋と東京御所と東京紅を使用。富有柿以外は
区別がつかず。                  





2017年11月1日水曜日

おしらせばかりがもろもろと

11/5(日) 有楽町大江戸骨董市
11/11(土)〜19(日) 松井寛泰写真展『Labyrinth
11/25(土)・26(日) 目黒セントラルマーケット
12/7(木)〜9(土) 『点店終点』

インスタグラムで商品紹介をしております→👃

盛岡の先鋭的なセレクトショップRiZM CLOSETさんにて小野寺公夫漆器展が開催されます。当店からだと東京駅まで出て、新幹線はやぶさで2時間13分ほど。お店は盛岡駅からほど近い場所。ぜひ。11/3(金)〜12(日)


 年末進行、と声に出してみると、零細の古物商あたりでもいっちょまえに浮世の動きに足並みを揃えているように聞こえるものです。ふだんボンヤリしてる分、少しばかり仕事が立て込むと異常に忙しく感じてしまうのですが、落ち着いてみれば、その実たいしたことはありません。とはいえ落ち着いてもいられないのが、上のお知らせにも書いた松井寛泰さんの写真展です。現在アメリカのギャラリーと契約していて、日本での活動がほとんどなかったので、今のところさほどその名は知られていないようです。写真表現の枠組みを意識させる創作はドメスティックなシーンでは捉え切れないものがあり、おそらく数年のちに逆輸入の形で名前を聞くことになるタイプの作家だと思います。マツイヒロヤスと読みます。ぜひ覚えておいてください。以前の当ブログでの紹介記事です。→👀 ご参考までに。Facebook等で追って情報を更新してまいります。
 仕入や展示の宣伝行脚等でウロウロしていて、開店時間が不規則になりがちです。お問い合せなどございましたら、メールやインスタグラムのDMでお知らせくださいませ。では、11月もどうぞよろしくお願い致します。


展示会目白押しの年末年始。向き不向きを考えずに、すべてに足を
運んでみると、新たな発見があるかもしれません。       


 

2017年10月23日月曜日

馬車馬

10/29(日) 有楽町大江戸骨董市
11/5(日) 有楽町大江戸骨董市
11/11(土)〜19(日) 松井寛泰写真展『Labyrinth』


 展示会や仕入れ、催事の手伝いなどでここ2週間ほどは忙しくしておりました。というか、忙しぶっていました。急な気温の変化で体調を崩しながらの日々だったので、苛酷な試練にでも立ち向かっているような気分がして、これは己の度量が一回り大きくなる兆しかとも思ったのですが、錯覚だったようです。
 さて、小野寺公夫さんの漆器の展示会には、会期中たくさんの方にお運びお買い上げをいただきました。本当にありがとうございます。いにしえの職人気質全開の、書で云うところの楷書体の作行きなので、生活工芸全盛の世には少し重過ぎるだろうか?と思うこともありましたが、それも杞憂で、いいものは売る側の思惑を越えるようです。人気はやっぱり椀類です。漆に潤滑の混ぜものをしない小野寺さんの漆器は、塗り肌に光の粒が定着しているように見えます。それでよく言われるように、ふんわりした印象を与えるのかもしれません。何かの折に見かける機会があったら、よく網膜に焼き付けておいてください。
 11月にも展示会を一本入れています。写真家というのか写真を媒体とした現代美術家というのか、松井寛泰という斬新さと職人肌が共存した人の展示です。写真という表現は見方がよく分からないうえに、ある見方を強制されてしまうような気がして、限られた人しか展示に足を運ばないイメージがあるかもしれません。なので、そこを覆してみたいという仄かな野心もあるのですが、大風呂敷を広げると後で泣きを見るので、今のところ煽りはこれぐらいにしておきます。追って展示会情報を更新していきます。
 それでは今週もどうぞよろしくお願い致します。



 

2017年10月11日水曜日

工人たち

小野寺公夫の仕事「漆の声、木の文法」10(火)〜13(金)は通常19時までの営業を
20時まで延長いたします。

 ただいま当店では、宮城県鳴子のレジェンド、小野寺公夫さんの作った漆器の展示会を開催中です。キミオ・オノデラといえば、「勇壮な塗りの力を持った漆器を通し、世界と結びついているという、我々の日常的感覚に隠された深淵を暴いた職人」として、国際的に評価されて然るべきだと思うのですが、なかなか物作りには厳しいこの国であります。使う器として細部まで配慮され、堅牢さと美しさのために下地から本塗りまで一切の妥協を許さない、昔気質の職人魂を発揮する工人たちの最後の末裔。そんな漆工は東北では鳴子の小野寺さんと、あとは会津にもうひとりだけです。フレデリック・ワイズマンが密着して映画化してくれたら、初日の舞台挨拶には駆けつけなければいけません。と、”失われつつあるもの”煽りをしてしまいましたが、今も現役で作り続け、それどころか新作の構想までしてるぐらいですから、小野寺さんもまだまだ枯れるつもりはないようです。
 楷書体で書かれた野太い器といった感じの小野寺さんの作品は、今の工芸シーンには退屈に映るかもしれません。しかし修練を積まずに草書に走るのは、何のトレーニングもしないでUFCのオクタゴンに上がるのと同じでしょう。奇抜な動きは体幹を鍛えてこそです。フルーツパーラーゴトーのパフェも、コーンフレークやスポンジケーキで上げ底したりせず、愚直なまでに果物とアイスクリームのみの組み合わせによる純度の高さを貫いています。そろそろ洋梨のパフェが出る頃でしょうか。去年は食べ損ねているので、今年こそは何としても・・。
 というわけで小野寺公夫展、皆さまのお越しを心よりお待ちしております!

豪快な大椀としゃもじ。