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2014年7月17日木曜日

西池袋にて

7/18(金)は仕入のため14時からの開店です。
よろしくお願いいたします。

 情報化社会という言葉が空々しく聞こえるほどに情報化しきった昨今では、却って「百聞は一見に如かず」という古臭いフレーズが生き生きと甦るように思えます。昨日は開店前に西池袋に店舗を構える古書ますく堂へ行ってきました。
 最寄駅はJR池袋駅か西武池袋線椎名町駅です。私は池袋からアプローチしましたが、グーグルマップでは複雑だと感じる道順は、実際に歩いてみると迷いようはないほど簡単です。立教大学沿いの通りは広くきれいに整理されており、歩道は自転車道ときっちりと二分されて、とても歩きやすい。道路を挟んだ向かい側の立教の施設が途切れたところで、左折して小径に入り込み、少し歩けば、ますく堂の店舗が見えてきます。いろんなメディアで取り上げられ、マニアックと分類される人たちの間では「とにかく凄い」とかなりの頻度で口の端に上る古本屋ですが、何が凄いのかはやはり現物を前にしなければ分からないものです。
 ここは、今月初めにスナックの居抜き物件から画廊の隣の小料理屋めいた場所に移転してきました。以前の場所も古書界隈の一部からは伝説的に語られていますが、今回に至っては、既にはじめから神話性を帯びていると言っても過言ではありません。これが店主の増田啓子さんが醸し出す徳によるものなのか、土地が持つ得体の知れない力によるものなのかは分かりません。とにかく情報を総合して頭で想像しているのと、実際にこの空間に身を置くのとでは、体験の質がまったく違います。店に行って、なにか1冊でも本を買うことをおすすめします。
 こういう店が世界に存在することの幸福を感じられるか感じられないか、人間はその2種類に分けられるのかもしれません。
 
 


味わいがあるという言い方では表しきれない店構え。

入って左手。さまざまな種類の棚にさまざまな本が
             並ぶ。奥のスチール棚には詩書や本に関する本が多数。                    

右手側。掘り出し欲望をがぜん刺激せずには
おかない陳列。             

目には見えない何かが漲っている。


ここも漲ってます。

 小上がりの畳が居心地よさそう。何時間でも
     何日でも何年でもいられそう。          

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