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2014年7月30日水曜日

熊と古物

 今日はずいぶん前に仕事場がいっしょだったEさんが店に来てくださいました。いろいろな話題が上がりましたが、常に熊の気配を感じながら敢行されるという山菜採りの話が印象に残りました。とある山のとある場所が山菜の穴場で、Eさんは近所で宿を営む知合いの誘いで毎年そこに行くとのこと。そこにはウドやコゴミやタラノメやらが自生していて、そんなのはやはり栽培ものとは味の濃さが段違いなのだそうです。穴場というからには、人の出入りが少なく手つかずの箇所が多いわけですが、それというのが、どうやらそこが熊の縄張りであるということらしい。その区域に入り込むと、あきらかに熊のものと分かる糞が落ちているし、そもそも唸り声がずっと聞えているのだそうです。命を賭けるに値するほどの美味い山菜ということなのでしょうが、あまりに危険すぎます。
 しかしハイリスクハイリターンは世の常ですから、古書でも古道具でも、いいものを入手するつもりならば、賭け金をそれだけ大きく張らなければいけない。もし椎の木社やボン書店の詩集、李朝白磁の筒盃や平安仏がお手頃価格でごろごろ売ってる場所があったとして、しかしそこに辿り着くまでに何頭もの熊との遭遇を回避しなければならないとしたら、どうでしょうか。どうもこうも、あまりの人の賑わいで熊の方が逃げ出しますね。

『いやいやえん』
中川李枝子さく 大村百合子え
子どもの本研究会編集 福音館
1962年12月25日初版 2001年7月5日第104刷
カバー背ヤケ              
熊と子供たちの驚異の遭遇を描く
 『やまのこぐちゃん』所収     
    500円    






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