ページ

2014年8月15日金曜日

そして誰も

 人間の気配が希薄なお盆の八丁堀界隈。ときおり視界に入る動くものといえば、ビルの間を吹き抜ける熱風が揺らす電線のみ。それはさながら人類創世の頃の風景・・。それにしても先祖との邂逅を果たすという理由だけで、街からこうもいっせいに人が消え失せるものでしょうか。規模の観点から察するに、どうやら東京国際展示場で開催されるコミックマーケットに出掛けたと考えるのが妥当なのかもしれません。
 通称「コミケ」に集まる人の数は、56万人だとのこと。ある目的のために動く人の数としては、メッカ巡礼に次ぐ数字だそうです。今日は開店前に渋谷の東急で開催中の古本市をのぞいてきました。新橋経由で行ったので、ことによるとゆりかもめに乗り損ねた人たちが2万5千人ぐらいあぶれて、周辺は凄まじい混乱を来しているのではないかと懸念しましたが、まったくそんなことはなし。となると、その人たちが渋谷方面に移動して、ついでに古本市を冷やかそうと考えたならば、東急がえらいことになっているに違いない!と慌てて馳せ参じるも古本催事場には56人ほどいるだけ。大きな会場ではないので、それでもけっこう盛況ではあったのですが、コミケとはだいぶ規模が違いますね。なかなか良い本が買えました。できれば56万人分ぐらいの買い物がしたかったのですが、それを許す資力がありませんでした。
 で、コミケですが、これほどの動員がかかるイベントであれば、動く金銭もすごいものでしょう。開催3日間の取引額は、もしかしたら東京古書組合の年間出来高を超えるのではないでしょうか。古物業界もなにか見習うというか剽窃できるところがあるかもしれません。彫三島の扁壺や小井戸茶碗を女の子に擬人化したオリジナル創作を幸田露伴や淡島寒月にコスプレした女子に販売してもらうイベントとかどうでしょう。ビッグサクセスの予感がしませんか?






 
 


『欣求浄土』
藤枝静男 講談社
1969年8月28日初版 函 帯あり
私小説という日本特有の文芸ジャンルを    
特異な方向に発展させた藤枝静男の連作集   
所収作最後の「一家団欒」はお盆に読むべき傑作
1,000円
『ザ・ロード』
コーマック・マッカーシー 早川書房
2008年6月25日初版
わずかな人間以外の生物がすべて死滅した
後の世界を描く散文による黙示録    
著者はノーベル文学賞候補の常連    
SOLD OUT






0 件のコメント:

コメントを投稿