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2014年10月31日金曜日

赤瀬川流れる岸辺

11/2(日)は有楽町の大江戸骨董市に出店いたします。
天気予報では、なんと土・日・月と雨。
なにかしら人智を越えた力が働いて、予報が覆ることを祈るのみです。

 明日をも知れない状況に身を置いた者たちが集まって、旧態然とした表現形態を打破しようと青春を浪費する、という設定が好きな人は結構いると思います。たとえばトキワ荘、たとえばヌーベルヴァーグ、たとえばネオ・ダダイズム・オルガナイザー。漫画、映画、芸術・・手段は違えど、新しい何かを産み出そうと足掻く人の評伝や伝聞というのは面白いものです。
 赤瀬川原平が亡くなりました。ゴダールより7つも下なのを思えば早い気もしますが、夭逝というほどでもなく、かといって長命でもない。あれでもないしこれでもない、いつも定義をすり抜けていく人らしいと言えるでしょうか。どんなジャンルを手がけても、重苦しくなる前に横滑りしていって、廻りは知らぬ間にその運動に巻き込まれている。トマソンなんてデュシャンより凄いぞと決めてかかって、興奮しながら町歩きをした人もいるかもしれません。
 この人の目線で古本や古道具を集めたらどうなるのか、と考えるひとりでした。蒐集はどうしても突き詰めようとして息苦しくなりがちなので、どこかに軽やかさを導入したいものですが、赤瀬川原平はその手の選択眼を持った人に思えました。
 次の大江戸骨董市が読売アンデパンダン展のようになればいいですね。なんとか雨が降りませんように。


 

 
左から『反芸術アンパン』筑摩書房 1994年初版 350円
『千利休 無言の前衛』岩波書店 1998年20刷 SOLD OUT 
『整理前の玩箱』尾辻克彦 大和書房 1982年初版 800円
『肌ざわり』 尾辻克彦 中央公論社 1980年初版 800円
『現代漫画論集』石子順造・梶井純・菊地浅次郎・権藤晋
装幀 赤瀬川原平 青林堂 1969年初版 帯欠 1,000円
『沈黙の弾機』上野昂志 赤瀬川原平論「曖昧な露骨」所収
青林堂 1971年初版 カバー背痛 SOLDOUT

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