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2014年6月30日月曜日

顔面ポエジー

7/1(火)は仕入のため、開店は13時からです。
7/2(水)3(木)は私用のためお休みいたします。
なにとぞよろしくお願い申し上げます。

 市場に仕入に出かけると、業者の中にはどう見ても堅気ではない顔をした人を見かけます。別にその筋の人というわけでもないのに、明らかにサラリーマンを勤めあげて出来上がる顔ではない。ちょいワルというのが昔いて、それじゃどれくらいワルいのかといえば、シャブの横流しや人身売買に絡んでるわけでもなく、あの人たちは正当に得た収入で記号的な贅沢を見せつける特にどこもワルくはない人畜無害な人種なのでした。あれは人工的に作り上げた顔なんですね。それに比べて市場に出入りする人たちの顔は、根元敬言うところのいわゆる「いい顔」で、これは一朝一夕では形成され得ないに違いありません。
 40過ぎたら自分の顔に責任を持て、とかなんとか言われますが、本当にあれほどの顔の責任の所在が自分だけに帰するものなのかどうか。あたかも天からの授かり物のようなあれらの顔が。仮にあの系統の顔を100%自分だけで作り上げられるのだとしたら、その人たちは重要無形文化財保持者として国から認定されるべきでしょう。
 皆さんの中には、骨董市に行かれる方もいらっしゃるかと思いますが、どうか「もの」だけに気を取られないで、それを売っている人の「顔」にも目を向けてください。その日、一番いい顔の店主から買ってみる、という縛りを自分に課すのもおもしろいかもしれません。もし偽物をつかまされても、それはもう本物以上に本物なのだと思います。



『セリーヌ』フィリップ・ソレルス
現代思潮新社 2011年6月30日初版
『夜の果ての旅』『なしくずしの死』、一作ごとに
スキャンダルを巻き起こす呪われた作家セリーヌ。
俊英ソレルスもセリーヌのいい顔に憧れているに 
違いありません。               
           1,200円             
  
             

2014年6月28日土曜日

今日の犬

 カンヌ映画祭には優れた演技を見せた犬を表彰するパルム・ドッグという賞が2001年から設けられているそうです。あくまで非公式とのことですが、創設以降は毎年受賞犬が選ばれているので、映画に犬は付きものということでしょうか。
 今年のパルム・ドッグは、コーネル・ムンドルッツォ監督の「White God」に出演した兄弟犬2頭が受賞。そして次席の審査員特別賞には、ジャン=リュック・ゴダールの「グッバイ・トゥ・ランゲージ」に出演のロキシー・ミエヴィルが選ばれました。作品も審査員賞に選ばれたので、犬と監督の2冠受賞です。これはもっと大きく世界に配信されてもいい事件だと思ったのですが、テレビでの報道は見かけませんでした。めざましジャンケンのゲストをゴダールに打診するとか、きょうのわんこにロキシーを出して、レマン湖の湖畔をゴダールと散歩している光景を撮影するといった案件はフジテレビ社内にはあがったのでしょうか。フジテレビの株主ではないので、経営方針に口を出す立場ではありませんが、今なお面白くなければテレビではないと思っているのならば、この件は真剣に検討してほしいと思います。もちろん現在折衝中の可能性もありますから、経過を静かに見守りましょう。
 
『わが動物記』犬飼哲夫
暮しの手帖社 1970年1月25日初版
カバー上少破れ         
   著者は南極観測隊のタロとジロの育ての親
SOLD OUT

 
 

2014年6月27日金曜日

ゲリ豪

 語るに足る経験もなく、さらには誰に頼まれたわけでもないのに日々ブログを綴るというのも、いいかげん白々しいことに気付き始めた自分。そんなどうでもいい自意識なんか雨に流しておしまいなさい、という内なる声を聞いて外を見ると、とつじょ親の仇のような豪雨が八丁堀にもやって来ました。梅雨時とは思えないゲリラ豪雨の襲来。季節から外れていると言えば、古本屋稼業も同様で、どちらがより季節外れかゲリラ豪雨V.S.古本屋の様相を呈している6月も終わりにさしかかったアンニュイな時間帯。こんな時にはショパンのノクターンをかけて、あえて憂鬱な気分にひたっていたい。しかしあまりに眠くなりすぎるので、途中から小さんの時そばに変更。しかしあまりに蕎麦が食べたくなりすぎるので、途中からCDを消して無音状態に。CDを聴いていただけなのに、睡眠欲と食欲を刺激されて仕事になりません。ではこの商売において、仕事とは何か。それはお客様の物欲を刺激することでしょうか。仕入にも力を入れております。どうぞお運びくださいませ。



『VOU 59』
VOUクラブ発行 1958年1月
北園克衛、坂本稔、清水俊彦、堀内れい子他

山本悍右による雨降りの写真詩

街に雨が降る
ぼくの部屋は
破片でいっぱいだ

SOLD OUT



2014年6月25日水曜日

麗しき日日

明日6/26(木)は仕入のため、開店は15時頃を予定しております。
6/27(金)も仕入です。開店は14時からです。
ご了承くださいませ。 

 窓の外から黒雲の近づく音さえ聞こえてくるぐらいに不気味なほど静まり返った店内。こんな時にとつぜん、ダチョウ倶楽部の上島竜兵が買い物に来てくれたら、さぞかしにぎやかになるに違いないと夢想しながらの午後のひととき。それは古本屋だけに許された特権なのかもしれません。
 と思っていたら、昨日はかつての仕事仲間の若い友人が来てくれて、楽しい時間を過ごすことができました。得体の知れない商売を始めたことを知らせたら、すぐに足を運んでくれたのです。おそろしく知的好奇心の旺盛な青年なので、うちの今の乏しい在庫では満足できなかったとは思いますが、それでも棚をつぶさに見て、きっちりリアクションを取ってくれるあたりは、ことによると上島竜兵を凌ぐかもしれないと思わせるほどでした。丸谷才一や篠田一士らがその昔に出した文芸雑誌をさりげなく浚っていく目利きにもびっくり。今後の動向に注目したい青年です。さらにその後には、兄事する同業の先輩にまで来ていただきました。仕事に関したことだけではなく、世間知の欠落した自分が世の機微を教わることのできる人です。
 というわけで、昨日は千客万来に匹敵するありがたい日となったのでした。人のありがたい話は得てして退屈なものですが、いろいろ仕入れて退屈ではない店にしていきますので、どうぞよろしくお願い致します。



初期伊万里青磁碗
直径8,9×10,6センチ高さ7センチ
SOLD OUT


 





 

2014年6月23日月曜日

空腹の馬鹿

 よんどころのない事情によりiphoneという端末機器を持つことになりましたが、通常の電化製品には用意されている説明書に該当するものがアップル製品には存在しないのですね。ペーパーレスによる地球環境への配慮か、設立者が求めたシンプルさへの希求の結果か、とにかく一応マニュアルみたいなものがないと、初期設定も果たしてこの手順でいいのか不安になります。というか、届いたその日は初期設定さえできませんでした。まずはピンのようなもので、本体横の部分を開けてチップを入れなくてはいけない。ところがこれができません。何かコツがあるのでしょうか。最難度の箱根細工のように、数十回の正確な手順を踏まないと開かないとか、もしくはこれ自体がすでに禅問答のように解けない謎として設定されているとでも・・。
 ダ・ヴィンチがモナ・リザを地上にエニグマとして残していったように、スティーブ・ジョブズという人も人類に永遠の課題を置いて去っていったのかもしれません。でもさっき店のパソコンでネットの説明書を見ながらやってみたら、簡単にできました!まったくスティーブのやつは相変わらず人騒がせです。しかし今度は、もろもろの登録に必要な暗証番号が分かりません。そんなもの、どこかに書いてあったでしょうか。暗証だから、書いてあるはずないのか・・。もはや万策尽き果てたか。で、代理店に電話で聞いてみたら、あっさり解決。これでようやくiphoneユーザーデビューかー、と番号を打ち込むも先ほどから手当たり次第に思いつきの番号を入れていたので、セキュリティにロックがかかっていました。
 幾重にも仕掛けられたトラップ。これがアップル社の遊び心なのかと感心しきり。ていうか、自分の馬鹿さ加減にうんざり。それに今日はおやつを食べていないので、すっかりとお腹が空きました。図らずも、ジョブズがスタンフォードの学生たちを前にして述べた式辞を体現していたのでした。
 Stay Hungry. Stay Foolish.



店内の一部です。なんだこれは!?と気になるものが
  写り込んでいましたら、お問い合わせくださいませ。  



2014年6月20日金曜日

あるたたかいの記録②

 いよいよ決戦の日。今はもう自分たちにできることを出し切って、ただベストを尽くすのみ。それぞれが秘めた思いを胸に抱き、緊張の面持ちで開場を待つ・・。
 
 今日は開店前に神田の古書会館で開催されている即売会に行ってきました。開場と同時に到着、ホイッスルが鳴らされるなどの合図も特に無く、黙々と地下の会場へと吸い込まれていきます。出だしは思いのほか、スローペース。まるで各自がお互いの出方をうかがっているかのよう。と思いきや、早々に抱えきれないほどのA5版大の本を両手に積み上げて歩いている男性の姿を発見。足の運びはかなり危なげで、外見だけから推察するに、130歳ぐらいでしょうか。休みを入れるべく、平台にいったん本を置いて体勢を整え直しつつ、選んだものを再度点検、数冊は棚に戻しています。そこにその老人の近くで物色していた87歳ぐらいの男性が、戻された本の1冊を抜いて自分の手元に。表紙を一瞥したのみでそのままレジに直行。まさにインターセプトからのカウンター。丁寧に吟味しながら本を選んでいたかのように見受けられましたが、機を見て敏、典型的な堅守速攻型でした。
 棚に沿って見ていくのがまどろっこしいのか、通路を縦走して、気になるものが視界に入ったら手に取るというタイプもいます。それだともちろん見落としが多く、拾える量にも限りがありますが、一度棚沿いに入ってしまうと、人ごみから抜け出すことが困難なので、こういう縦に大きくつないでいくパワープレイで本を見るのも一つの方法です。
 で、自分はというと、まだ1冊も手にしていないので、人のことを観察してる場合ではありません。目当ての棚を横にゆっくりと見ていきます。ただし人気のある棚なので、物色の場所を確保するのにも技巧を要します。各々が自陣をしっかり固めており、このカテナチオを崩しながら欲しい本を見つけるには、フィジカルのみならずメンタル面での強さも要求されます。無言でグイグイ肩を入れてくる人もいて、そういうシーンでも当たり負けしない身体能力とカッとならない平常心はどうしても必要です。
 会場から出ると、ぐったりと疲れます。コレステロール値が高かったり、運動不足で生活習慣病が気になる方には、適度なエクササイズとして、ぜひ即売会へ行かれることをおすすめいたします。


 
 
『大空魔竜ガイキング ミニカードアルバム』
結局よくわからないものを買ってしまいました。
駄菓子屋でなどで流通したものでしょうか。
600円

アルバム裏面
カードを2面入れられるファイルが
7頁付いてます。        

大当りラッキーカード
上記のアルバムと交換できるカード
 交換済みの印入り。        
ガイキングのカードは4枚のみ。


あとはなぜか天才バカボンのカードが13枚。

2014年6月19日木曜日

八丁堀ヒルズ

 明日6/20(金)は仕入のため、14時からの開店となります。ご了承くださいませ。

 虎ノ門ヒルズとかいう商業施設がいつの間にか完成、開業していました。誰に断りを入れてこんなデカいものを建てたのか、と因縁をつけたくなるくらいに豪壮な建造物であろうことは、各メディアから伝え漏れる情報で推察できます。公式キャラクターも国民的アイコンを完膚なきまでに換骨奪胎したもので、一見してさすがにこれは訴訟問題に発展するのではと危惧しましたが、どうやらプロダクション公認だとのこと。今どきだと、暇を持て余し気味の職員に鉛筆でメモ書きさせたキャラクターのラフを知り合いのデザイナーに起こさせて、虎子ちゃんと門吉くんとか名付けて済ませるのが通例だと思っていました。そのへん、やはり官民連携の地域開発ということで、素人の入り込む余地はないようです。
 「未来の東京は、ここからはじまる。」というコンセプトを掲げているそうで、それはまあ言わせといてやるよといった感じですが、心の奥底では、いや実は八丁堀からはじまるんですよと言いたい。当店の入るビルは、1階がZOEというビストロで2階が当店、3階は器やオブジェを扱うギャラリープラグマタ。図らずも一棟のビルで食・知・美が堪能できるのですから、規模の大小はあれ、虎ノ門とタメを張れるのではないでしょうか。中央区がそのあたりどう思っているのか、聞いてみたいところではあります。広げた大風呂敷が畳めなくなりそうなので、このへんで。



『セックサス 上 薔薇色の十字架 第一部』ヘンリ・ミラア
 木屋太郎訳ロゴス社 1953年4月15日初版      
カバー吉田穂高 三方小口ヤケ          
大風呂敷の人、ヘンリー・ミラーの肉食系自叙伝
   1,500円       

 
 

2014年6月18日水曜日

蟲文法

 青空がのぞく日が続いたので、梅雨が明けたのだと思い込んでいましたが、そうはいかなかったようです。大自然は人間ひとりの思惑なんかに一切左右されることなく、今日もその営みを永々と続けていくのでしょう。自然を前にして古本屋ができることと云えば、陽気のいい日に太陽の恩恵を一身に浴びながらウトウトするぐらいでしょうか。
 梅雨が明け真夏がやってくると、小さな生命がいよいよ本格的に活動を始めます。そう、虫たちの季節の到来です。人の虫に対する態度もいろいろあって、肉眼ではほとんど捉えきれないくらいの小虫が視界を横切ったぐらいで大騒ぎする人もいれば、うちの母親のように素手でゴキブリを捕まえることになんの躊躇のない人もいます。自分のことを言えば、たとえばコクワガタなんかが駅の壁に張りついていると、捕まえてポッケに入れて持って帰りたくなりますが、ゴキブリには腰が引けます。昨日も店に来る途中に寄ったトイレで遭遇。ちょっと怯みましたが、無事に用を足すことに成功。あれも屋内屋外、どちらで出逢うかでだいぶ対応が違ってきます。外であれば素知らぬ顔でやりすごしますが、これが部屋であろうものなら、即座に臨戦態勢、エゴを剥き出しにした人間と罪の無い小さな生き物との命を賭けた応酬が始まります。
 人間の意識レベルが進化し、いつの日か虫たちと交信ができるようになった時、人は今までの殺戮をどんな言葉で弁明するのでしょうか。昨日は帰りの道でムカデにも遭遇。少しの間、横並びになっていっしょに歩きました。

『蟲・人・自然』大町文衛
養徳社 1948年9月30日三版
カバー少破れ       
500円
竹製虫かご
縦8,8横6,6高さ7,4センチ
天井部竹1本欠け
SOLD OUT




 

2014年6月17日火曜日

ぽっちゃりボーイの夏

 この国の情報発信基地としての役割を担う眠らない街、八丁堀。昼時ともなれば、おいしいランチを求めるエリートサラリーマンたちで街はひとときの喧噪に包まれる。こんな戦場のような街でも、まれに子供の姿を見ることがある・・。
 午後の気怠い時間帯、いつものように傍目からはぼんやりと、その実、脳内では膨大な情報量を処理しているつもりでパソコンの画面に向かっていると、外から子供の声が聞こえてきました。この界隈は勤め人しかいないと思っていたので、意外に感じて窓から下をのぞくと、前の道を小学三年生ぐらいの男子が1人でてくてく歩いていました。歩いているというよりは、小刻みに縦に揺れながら足踏みしてる感じでしょうか。けっこう太めなので、尻まわりの肉がブルブル揺れています。やけに軽そうなランドセルもいっしょにガチャガチャ揺れて、ブルブルガチャガチャとせわしない。何をひとりごとを言ってるのかと思ったら、どうやら歌を唄っているのでした。
 よく聞いてみるとその歌詞は、霊的存在の有無を自問自答しながら、その対抗手段を画策する少年の不安を謳ったもので、おそらくは誰もが知ってる歌でした。彼は声変わり前の甲高い声でつぶやくように唄いながら、突き当たりを左に折れていきました。彼がもし店に入ってきて、何かおすすめの本あるかい?と聞いてきたらどうしようかと思いました。

『ゴーストバスターズ−冒険小説−』 高橋源一郎
講談社 1997年6月30日初版 帯      
600円

2014年6月16日月曜日

そこはかとない伝説

 来ないとなれば、申し合わせたように誰も来ない八丁堀の路地のとあるビルの一室。このまま書を捨てて街に出て、そこらへんをほっつき歩いてたって誰に文句を言われることのない素晴らしい職業・・それが古本屋です。梅雨の谷間の陽気に誘われて、ついその辺までのそぞろ歩きが、いつしか若大将のゆうゆう散歩ばりの町歩きに変貌。今日はちょっと足を延ばして銀座2丁目の路地裏に店舗を構える中村活字さんまでやって来ました。
 やって来たって、なんら生産的活動に従事するわけではないのですが、私はここで以前、店の名刺を作ってもらって、社長の中村明久氏と顔見知りになりました。といっても、この中村さんが実に人を逸らさない人物で、一見客の自分にもガハハハ笑いながらいろんな話題を振ってくれて、すぐに10年来ぐらいの知り合い気分にさせてくれたのでした。で、今日はせっかく来たので、当店のDMを置かせてもらうことに。はいよ、そのへん置いときなと言わんばかりに快諾。そのDMを作ってくれたデザイナーさんとは、中村さんの店で知り合ったのですが、たまたま居合わせたところをいい塩梅で引き合わせてもらったという感じです。その辺の妙を心得ているのが中村さんの凄いところで、それがあまり凄く見えないところがまた凄いと言えます。 
 聞けば、ずいぶん有名な人も中村さんのところに出入りしているようで、名前を言えばうちの母親あたりでも知っていそうな人物もいます。だからといって、有名人御用達の店といった趣を見せないので、母親以外は名前を知らないような自分でも躊躇することなく入れるのです。界隈の情報が行き交う場所でありながら、ガートルード・スタインのサロンのようなスノッブさもなく南天堂の2階みたいな猥雑さもありません。ただ路地裏の爽やかな風がひゅーっと吹き抜けていく感じでしょうか。1910年創業だそうですから、今年で104年目。これ見よがしでないところが、老舗の風格なのかもしれません。

中村活字、入って右手。格好いい印半纏と
木味のいいテーブル。このテーブル、いらなく
なったら売ってくださいと言っても、
ガハハハと中村さんは笑うばかり。





2014年6月14日土曜日

海の幸山の幸

 永遠に続くかと思われた雨もひとまず止んで、今日の空は晴れ間を見せています。高原の夏の朝のような爽やかな陽気、まさに古いビルの一室で、古本や古道具を手に取るにはうってつけの日和です。梅雨が明けて海や山へと出かける前に、海のものとも山のものとも知れないものを目にするのも有意義な余暇の過ごし方ではないでしょうか。公益財団法人日本生産性本部のレジャー白書にも、おそらくそうした記載があるのではないかと推測します。
 と、そんな空々しいことを書いたところで客足が増えるわけないことを重々承知していながら、書かずにはいられないというところに、この商売の物悲しさがあるのかもしれません。現在、近所では山王祭が行なわれていて、時間によってはお神輿が出たり納涼イベントなどもあるようですので、ぜひ足を延ばしていただいて、ぶらぶら歩いていたら八丁堀に着いてしまったという折りには、どうぞ当店にもお運びください。この祭り、なにせ範囲が広すぎて全貌を把握しきれません。「神輿深川、山車神田、だだっ広いが山王様」と謳われるだけはあります。それに比べれば、当店はおそろしく狭いです。山王様との広狭の落差をお楽しみ下さい。


アルミの水筒
高さ約18センチ(コルク栓含まず) 巾約9センチ
SOLD OUT


 
 

 
 
 

2014年6月13日金曜日

フェスティバル関連

 熱狂と狂乱の祭典がついに始まりました。江戸三大祭のひとつ、山王祭です。始まったと言っても、すでに奉祝の儀式などは7日から行なわれており、今日は氏子の各区域を練り歩く神幸祭が執行されるのです。祭りとくれば出店ですから、今日のランチは焼きとうもろこしと焼きそばとお好み焼きにしよう(炭水化物ばかり)と店までの道すがら考えていたのですが、露天なんかはどうやらひとつも出てなくて、袴と冠を付けた神職の格好の人たちがしずしずと山車とともに道路を横切っていくだけなのでした。
 祭りだということで、体中にいろんな模様が入ったおニイさんたちが、やたらと神輿をぶつけあったり、山車のてっぺんに乗っかって、猛スピードで路地に侵入して電信柱をなぎ倒していくのかと思っていました。どうやら三社やだんじりの映像の記憶が脳内でミックスされて、中央区では起こり得ない祭事を勝手にでっち上げていたようです。もちろん疾走する雄牛に街中を追いかけ回されたり、完熟トマトをぶつけ合うこともしません。あくまで厳かに執り行われるのが山王祭なのです。それでも、ビジネスの町に突如現れる異装の人たちは、空間を非日常化するのに十分の効果があります。思えば、古本屋や古道具屋というのも、必需品を扱うわけでもない無くても別に困らない存在ですが、疲れた日常を異化する不思議な空間なのではないでしょうか。



今日は変な天気で、日が照っていたのに、
とつぜん雷鳴が轟いて雨が降ってきました。

飾り玉といって、造花の塊が町中を
 引き回されていきます。      
塊の中に人がいるのでしょうか。

『銀座 京橋 日本橋 江戸東京風俗地理第二巻』
田村栄太郎 雄山閣 1965年1月25日初版 函
茅場町・八丁堀にも頁が割かれています。  
1,800円


 

2014年6月12日木曜日

カオス理論

 「風吹けば桶屋が儲かる」とはすなわち、①風が吹いて土ぼこりが舞う②土ぼこりが目に入り失明する人が増える③盲人の職業として三味線ひきがふえる(江戸時代の認識)④三味線には猫皮を使うため猫が減る⑤猫が減れば鼠が増える⑥鼠は桶をかじるので、桶がよく売れるようになる、というあるひとつの事象が伝播していくことで起こり得る因果関係の発生をこじつけた諺ですね。では、その伝で考えると、何をすれば古本屋が儲かると言えるのでしょうか。
 この場合は結論が先に決まっていますから、帰納法的に遡って考えた方がよさそうです。本の売上を妨げているのは、何をおいてもインターネットの普及でしょうか。ネットによって情報媒体としても嗜好品としても本は効用を失ってしまったと考えると、まずはネットを使えなくしたい。それには、駆除の困難な全世界規模のウィルス感染による長期に渡る通信障害などが起こるといいですね。ウィルスをばらまくのはハッカー。ハッカーは総じてIQが高い。IQの高い人間を育てるには胎教が重要。胎教にはモーツァルトの曲が有効。西暦2056年、生誕300年記念でモーツァルトが世界的にフィーチャー。
 というわけですので、2056年を境に古本屋が儲かる機運が生まれるという言い方がより正しいでしょうか。あと少しの辛抱です。




『首塚の上のアドバルーン』 後藤明生 
講談社文芸文庫 1999年10月10日初版
   帯なし                 
偶然と必然をアミダクジ式につなげる語り口
後藤明生の真骨頂。           
SOLD OUT

 

2014年6月11日水曜日

本当の真実

 ふなっしーの偽物が各地に出没しているそうです。本来の出自はゆるキャラですから、いずれバッタもんみたいな扱いかと思いきや、あれだけメディアに露出しているとやはり相応の金銭が動いているのか、真贋をとやかく言い出す人もいます。今回の騒ぎは、どれも遊びの延長のようなものだからと、事件にはしていないとのことですが。
 古本について言うと、和漢籍などであれば真贋の目利きが必要でしょうが、雑本ばかりの当店には無縁の話です。古道具も扱っていますが、どれもゆるキャラみたいなもので、来歴をどうこう言うようなものはありません。が、中に李朝や伊万里のやきものもあって、このあたりはちょっとやかましいものもあるらしいのですが、官窯や御用窯のようなのはなくて、庶民向けの下手物ばかりですから、やっぱりこれも大丈夫そうです。そう考えると、ふなっしーの唯一無二性がどこまでも貴重なものに思えてきました。これがベンヤミン言うところのアウラというやつでしょうか。この店もアウラを帯びた品物を仕入れて、ちょっとキャーキャー言われてみたいものです。



李朝 堅手皿
直径14,1〜14,3センチ高さ3センチ
縁少欠け3個所。縁は荒れており高台も 
えぐれてますが、いい味わいで下手の  
魅力に満ちています。         
SOLD OUT


ふなっしーの素描

2014年6月10日火曜日

宣戦布告後即降参

 環境省が定めるレッドデータカテゴリの絶滅危惧Ⅱ類に、このたび古本屋が新たに付け加えられることとなった・・という話はまだどこからも伝わってきませんが、いずれそうなるのも時間の問題かもしれません。古本屋に限らず、町の新刊書店も本当に少なくなりました。たまに見かけると、ノスタルジーで仄かに胸の奥が暖かくなるぐらいですが、そういう視線に晒されている業態は結局なくなる運命なのでしょう。書店業も今となっては、商業区域の一等地に旗艦店を持つナショナルチェーンでなければ生き残れないビジネスモデルのようです。もっともこの手の話題には必ず名前が挙がる、千駄木の往来堂や京都の恵文社一乗寺店のような、地域の特殊性に密に根差して全国に名を知られる存在があるのも事実です。本という商材を巡ってのビジネスは、ナショナルかローカルかという分かりやすい図式的な二分化が進んでいるということでしょうか。
 八丁堀界隈には、てくてくと歩き回った限りでは新刊書店はありません。雑誌の新刊であれば各種コンビニエンスストアで入手が可能ですが、書籍となると、日本橋の丸善まで足を延ばさなければならないようです。先のナショナルとローカルの図式で見れば、さしづめ丸善V.S.逆光のハンディキャップマッチといったところでしょうか。新刊と古本では柔道と柔術のように出生は同じでも別物ですし、仮に異種格闘技戦と銘打ってのマッチメイクだとしても、度を超した無差別級にはコミッショナーからも中止の命が下るにちがいありません。なにせ当店の売り場面積は丸善の200分の1しかないのです。端からはマツコ・デラックスジャンガリアンハムスターの戦いに見えることでしょう。小さいものの戦術はどうあるべきか、大きな課題です。

『水生昆虫完全飼育・繁殖マニュアル改訂版』
都筑裕一・谷脇影徳・猪田利夫 データハウス
      2000年6月20日初版 カバー少折れ           
レッドリスト掲載の水生昆虫の図版が多数。
 丸善&ジュンク堂にも在庫なし       
1,500円

2014年6月9日月曜日

センター

 以前、このブログでAKB48の総選挙の投票権利を得るために、3,150万円分のCDを購入した人の話をしました。結果を見ると、その人が推挙するメンバーはどうやら21位にランクされたようです。購入額から類推すれば、より上位にランクインさせることも可能であったかと思うのですが、票を分散させたのか、投票券のあまりの枚数に期限に間に合わなかったのか、そもそもこの話が都市伝説に過ぎなかったのか。人が好きでしてることをいちいち詮索するのもどうかと思いますが、この方は戦いを終えて今どんな心持ちでいるのでしょうか。目論み通りにことが運んだ充実感か、しょせんは虚構に過ぎない世界に加担してしまった空しさか、こんなことなら古本屋でも開業していればよかったかなと思っているかもしれません。
 この店、住所は中央区ながら、今はまだ中央の華やかさは微塵もありません。周縁も周縁、研究生でさえないかと思います。ただ、いつの日か3千万ほどのお買上げがあれば、古書業界の選抜メンバーとなりうるかもしれませんので、来るべき時に向けて精進あるのみです。


 
『悲しき熱帯 上下』
クロード・レヴィ=ストロース 川田順造訳
中央公論社 1990年上13刷下10刷    
帯 背ヤケ              
西欧中心主義を相対化させ、構造主義の出発点となった名著
SOLD OUT

2014年6月7日土曜日

野生の思考

 「Impasto | インパスト 厚塗り 町村勝己」展が中央区八丁堀のギャラリープラグマタで始まっています。今回も隙を縫うようにして展示を見てきました。プラグマタは当店の1つ上の階にあるので、思い立ったら、それこそ一陣の旋風のように見て帰ってくることができるのです。ただ小さいビルですので、あまりに急激なモーションは、打撲や建物の損壊を誘発するおそれがありますので、くれぐれもご注意くださいませ。
 展示タイトルの通り、町村さんの作品の特徴は器にごってりと盛られた化粧土です。とはいえ、くどい感じはなく黒の素地がむしろすっきりとした感じを与えます。が、実はその素地も黒く化粧を施されているのだそうです。幾重にも塗られた土の厚みが、持った時に手に跳ね返ってきて、心地よい持ち重りをもたらします。用の器の具象性とオブジェの抽象性を兼ね備えた、絶妙な存在感を持った作品です。
 
 写真は店内準備中の時のもの。完成形は実物でご覧いただきたく思います。身の廻りにあるもので装飾して、展示の世界観を表現するオーナーのペトロスさんの言わばブリコラージュの手腕が楽しめます。







開放系

 昨日は開店前に、仕入とレジャーを兼ねて、東京古書会館で開催中の古書即売会へと行ってきました。人はなぜこんなにも古本を購入しないではいられないのか、と思い悩んでしまうほどに、山積みの本を買い込んでいる姿を多数目撃しました。きっとすべての人が買った本のすべてを読むわけではなく、むしろ一度も目を通されることのない本も多く存在するのだと思います。甚だしい無駄遣いのような気もしますが、これはどこか、インターネットを特に見るでもないのに、いつまでもつなぎっぱなしにしている状況に似ていると思いました。デジタルであれアナログであれ、とりあえずいつでもアクセス可能の状態にしておいて好きな時に接続できるようにしておかなければ気が済まないみたいな。それは電力の浪費であり場所塞ぎなわけですが、当人にしてみれば、自分の中にある外部との連続線を切断したくないという、なんとなくの心持ちがあるのだと思います。
 というわけで、当店も開かれた外部として皆さまに多くのアクセスをいただきたく思っているのですが、端からは閉じてるのか開いてるのか、よくわからない有様です。店自体はたいてい開いておりまして、鋭意営業中です。雨の日の暇つぶしに、ぜひお越しください。

『ブックストア ニューヨークで最も愛された書店』
リン・ティルマン 宮家あゆみ訳 晶文社
2003年1月30日初版 帯 
かつてN.Y.に存在した独立系書店の顛末記
SOLD OUT

『シェイクスピア&カンパニー書店の優しき日々』
ジェレミー・マーサー 市川恵里訳 河出書房新社
2010年5月30日初版 帯 カバー溝凹みあり
「見知らぬ人に冷たくするな変装した天使かもしれないから」
がモットーのセーヌ川のほとりの書店の話                             SOLD OUT     

『オデオン通り アドリエンヌ・モニエの書店』
アドリエンヌ・モニエ 岩崎力訳 河出書房新社
2011年6月30日復刻新装初版 帯
ジョイス、ヴァレリー、ベンヤミンらが通った伝説の書店
SOLD OUT











 
 
 

2014年6月5日木曜日

偶成

 本日午前、関東甲信・北陸の梅雨入りが発表されました。梅雨入り宣言すると得てして空梅雨だったという年も多いですが、今年は宣言通り早々に梅雨らしい長雨が続くようです。鬱陶しい梅雨が明ければ猛暑がやって来て、しばらくは残暑が続き、今どきは10月の初めぐらいまでは暑かったりしますから、早く10月中旬あたりになってほしいものです。
 雨が降り続けば空気もじっとりとして、気分もふさいできて、休みの日も家に閉じこもりがちになります。そんな時こそ部屋でゆっくりと小説など読んでみるのはいかがでしょうか。と、とってつけたように本屋の売口上ようなことを言ってしまいました。
 音楽療法で「同質の原理」というのがあって、落ち込んでいる時に明るい音楽を聴くのは逆効果で、むしろ短調の悲しげな音楽を聴いた方が、沈んだ気持ちと同調して心が安らぐのだそうです。その理屈で、梅雨の鬱陶しさとマッチする小説を選んでみます。
 
『秋立つまで 他三編』嘉村礒多
岩波文庫 2001年2月22日第5刷
リクエスト復刊帯       
SOLD OUT


 嘉村礒多(1897〜1933)は、いわゆる私小説という自分の身辺に起きたことを題材にした小説を書く人の中でも抜群に陰鬱です。嘉村の小説は、妻子を故郷に棄て駆け落ちした女性と主人公(つまり嘉村本人)との極貧生活を書いたものがほとんどで、そこには郷里の親族との確執や己の因果な性格が生み出す悲しみが非情で苛烈な筆致で描かれています。その絶望かげんに圧し潰されそうになりますが、これ以上ない切羽詰まった状況に及んだところで、とつぜん切断されたように小説は終わります。読む者は茫然とするしかありません。
 

 葛西善蔵(1887〜1928)は嘉村の師匠にあたる人です。葛西の作風も私小説ですが、文章は嘉村よりずっと野放図で明るい感じがします。生活苦で我が子を連れて家を追い立てられるあたりは、本来ならばかなり悲惨なはずですが、いちいち行動が世間の尺度から度外れているので、読むとかなり笑えます。嘉村の勝手に思い詰めて、変なふうに行き詰まるところも実は笑えますが、葛西善蔵の場合は、素っ頓狂で頓珍漢な倫理感とそれに基づく行動が爆笑を誘います。
『子をつれて 他八編』葛西善蔵
岩波文庫 1995年10月5日第8刷
リクエスト復刊帯       
SOLD OUT
   同質の原理によれば、悲しみに浸りすぎていると戻ってこれないおそれがあるそうですから、あまり嘉村礒多ばかり読んでいるのは危険でしょう。嘉村→葛西の順番で読むのがいいと思います。小中学生の皆さんは、梅雨が明ければすぐに夏休みが始まりますね。読書感想文にはぜひこの2人の小説をおすすめいたします。


2014年6月4日水曜日

夢の果て

 東京都千代田区一ツ橋に拠点を構える、出版を主な生業とする株式会社から、本日1冊の漫画単行本が刊行されたことが、サイト上でニュースの1つとして取り上げられていました。漫画1冊で何をそんなに騒ぎ立てるのかと言えば、どうやらその発行部数が桁外れで、初版の時点ですでに400万部を超えるのだそうです。しかもそれほどの大部数発行も今回で11巻連続ということですから、気狂いじみて見える強気も実は、完璧に勝算ありの営業戦略なのでしょう。
 その漫画は、海賊である主人公の少年の成長譚を主軸に据えつつ、他のさまざまな海賊たちが各々の志向にもとづいた駆け引きをしながら困難な海路を乗り越えて、海賊の王になる資格を得るための宝を目指すという体裁をとっています。架空の世界のお話ですから、漫画を真に受けて、「将来は海賊になって、武装した船舶で沿岸周辺の町や村から収奪行為をしたいです!」という子供は現れないと思います。この漫画を読んで培われた情熱は、どんなふうに育つのでしょうか。「古本王に俺はなる!!」と叫ぶ子供がいたら面白いと思いますが、そんな王はやめときなさいよとも言いたくなります。


土製耳飾 縄文時代
直径5厚さ1,2センチ 
当店の在庫の中では、比較的お宝度が高いでしょうか。
SOLD OUT




参考文献『耳飾と古代のモード』
神奈川県立埋蔵文化財センター
財団法人かながわ考古学財団 

2014年6月3日火曜日

楽しい知識

 天気予報で言うところの「平年」とは、過去30年の平均値なのだそうです。今年の夏は平年に比べて暑くなると言われると、去年もおととしもあんなに暑かったのに、この上まだ暑くなるつもりかよ!と地球に対して息巻きたくなりますが、30年のスパンを考慮に入れれば、そんなものかとも思います。ここ数年は気候の上で、毎年なにかしらの異常事態が起きているようですが、この異常を数値に繰り込んだ「平年」が更新されれば、異常は平常になるわけです。
 古本業界に伝わるいくぶんか前の話を聞くと、売れすぎで品物がなくなって店が開けられないとか、車を毎年買い換えているとか、ついにビルを建ててしまったなど、サクセスにまつわる小ネタが満載です。今の状況からは考えられないことばかり。つまり、業界の平年が更新されてしまったわけです。ベテランの方々は、お先真っ暗のようなことを言いますが、後発隊から見れば今が普通です。普通の日々を大切に、ていねいな暮らしを心がけていきたい・・とか言ってると、そのうち犬死にするはめになるので、なにか策を打たないといけないわけですが。



『地球の上に生きる』アリシア・ベイ=ローレル
        深町真理子訳 草思社
  2006年10月24日新版第17刷 帯 カバー上少ヨレ
   SOLD  OUT
    




 

2014年6月2日月曜日

まわり道

 商いというのは正直一本で進んでいけば、いずれ信用というかけがいのないものを得ることができる、長い目で見てそれが結局は大きな得になるはずです。しかし世知辛い昨今だし、そんな鷹揚なことを言える徳も備わってないとすれば、生き延びるために少々の狡猾さを持ち合わせていなければならない。それなら、機を見て敏の頭の回転と行動力があるのかと言えば、断じてない!と言わざるを得ないのです。では、果たしてこの世で最もズルい生き物はなんだろう、できれば少しは見倣いたいものだ・・。そんな割とどうでもいいことを小さなビルの一室でぼんやりと考えて続けています。
 地球上でもっともズルい生き物、それはパンダではないでしょうか。あれはズルすぎます。ごろごろ転がっているだけで、三食を保証され24時間注意を払われ手厚い庇護を受けている。なにより多くの人たちからの寵愛を一身に浴びている様は、本人たちにしてみれば鬱陶しいのかもしれませんが、承認欲求にまみれた人間から見れば、羨ましいことこの上ありません。
 ではパンダに倣って、早速店内をごろごろと転がってみるべきでしょうか。そうすると、どうあっても向かいのビルのサラリーマンの皆さんの視界に入ってしまうでしょう。いかに他人に無関心なコンクリートジャングルでも、あからさまな不審行動を目にすれば、一応は警察に通報せざるを得ない。駆けつける警官。怪しげな物品に囲まれながら転げまわる姿から不審者と特定、その場で警察へ連行。その後ブログの文章を解析され、やはり不審者と特定。何罪なのか判然としないまま刑務所へ収監。なるほど、たしかにこれで三食昼寝付きは保証されたわけです。しかし古本・古道具で身を立てるというところからは、ずいぶんと迂回してしまいました。



地球上で最も狡猾な生物
一般の人間には決して手の届かない世界

パンダという呼称はレッサーパンダとジャイアントパンダの
2種を含みます。今回はジャイアントパンダ限定です。  
古染付五寸皿
明末〜清初 直径15,1センチ
1箇所虫喰いではない小ホツあり
SOLD OUT


パンダ関連グッズがないかと探しましたが、
見当たらず。同じ中国産ということで。