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2015年12月31日木曜日

どすこいメモリアル

新年営業は1/5(火)からです。
どうぞよろしくお願い致します。


 暮れゆく2015年に思いを馳せれば、様々なことが脳裏をかすめていきます。泣きながらの仕入、もろもろの支払いの算段、ゆで太郎、『点店』開催、フルーツパーラーゴトー、涙の行商、ゆで太郎、『八丁堀バザール』・・。
 少しは面白がって足を運んでくださるお客様や、何かと気にかけてくださる同業の方々のお蔭をもって生き延びていることを思えば、もはやどこにも足を向けて寝ることができず、常行三昧並みに立ったまま眠らなければならないぐらいですが、それほど肝が座っているわけでもないので、夜は布団で割とグーグー寝てます。そのお蔭でまだまだ健康体なので、来年も肉体を駆使して楽しいものを手に入れてまいる所存です。
 2月には現代美術なのか何なのか、当店としては変化球の展示を準備しておりますので、こちらも密やかにご期待いただけましたら幸いです。年が明けましたら詳細をお知らせ致します。
 来年もなにとぞ変わらぬご贔屓を賜りますようお願い申し上げます。よいお年をお迎えくださいませ。


クレーのある種の絵や松本竣介の
ドローイングを彷彿とさせる線描。
年末のイベントに来てくださった
  年若い俊才からの贈りもの。     

12月末現在の店内風景。
買い出し屋さんみたいで
楽しい状況になってます。









2015年12月28日月曜日

失楽園

人間存在を根底から揺るがす楽しいお買い物イベント『八丁堀バザール』を
当店にてただいま開催中!お一人でもお誘い合わせでも楽しめる催しです。
ぜひお運びくださいませ!

年末は12/29(火)が最終、新年は1/5(火)からの営業です。
どうぞよろしくお願い致します。


 暮れも押し詰った29日まで催事を入れるというのは、暴挙と呼び得る行いでしょうか。アダムとイヴが禁断の果実を口にして神の怒りを買って以来、人類は苛酷な労働を余儀なくされているわけですから、それを思えば人として当然のことをしているだけとも言えます。とはいえ、陽の傾きはじめたあたりからアルコール飲料を摂取して酩酊状態に陥ることが、果たして労働といえるのかどうか。これでは新たに神の怒りを買うことになりはしないか。そんなアンビバレントでオルタナティブなイベント『八丁堀バザール』は、明日29日まで当店にて開催中です。
 お蔭さまでたくさんの方にお運びいただいた上に、差し入れまで頂戴しておりまして感謝の念に堪えません。底冷えのする店内を暖かな風が吹き抜けていくようです。本当にありがとうございます。この怖るべきイベントは明日まで続きます。年末年始の必需品を揃えた後は、ぜひ不要不急品を買いに八丁堀までいらしてください。



苦役と享楽の挟間で。

 
 
何かに使ってみたくなるものが盛りだくさん。


 
 





2015年12月14日月曜日

ザギンの人

12/25(金)〜29(火)は激動の時代にひとときの安らぎを提供するイベント
八丁堀バザール』を開催!来るべき2016年に向けて心に残るお買い物を
お楽しみください。

15日(火)・16日(水)は仕入のため休業いたします。毎度泣きながらの仕入ですので
今回は涙をこらえて挑みます。何が買えますでしょうか。


 たいていいつもそうであるように、その日も店でひとりぼっちのラグジュアリーな時間を過ごしていると、一人の青年が飛び込むように店内に入ってきました。以下、その時のやり取りです。

「私、ここの新しい店名を考えたんですよ!」
「え?」
「逆境です。書肆逆境。」
「え?」
「もしくは逆ギレ。いや、逆噴射?あるいは逆襲・・。」
     (間)
 青年、ソファに腰を下ろしながら、
「いやあ、どうですか、最近。」
     (間)
「甘栗、食べますか?」
「な、なんですって!?」
「甘栗。」
「甘栗ですか!はい・・、甘栗・・。」
 店主、青年に甘栗を皿に盛って差し出す。
 青年、モリモリ甘栗を食べながら、
「逆境かあ。いいですよねえ。逆境・・。」
「逆子。」
 青年、とつぜん笑い出す。
「逆子!逆境!逆光!逆ギレ!」
 青年、甘栗を食べる手を早める。
「私、これから店に戻らなければいけないんです。」
 おもむろに立ち上がり、店から退場。

 この意味不明の掛け合いの相手こそが誰あろう、森岡書店銀座店の店主・森岡督行氏で、氏は今月初めに誠文堂新光社より『本と店主』という本を上梓しました。個人経営の店主13人から、本にまつわる話を森岡さんが対談で聞き出すという体裁を取っていて、あろうことか当店も掲載の栄にあずかっているのです。それで少しは販売促進のお手伝いをと思っているわけですが、このブログが拡販の足しになるのか甚だ疑わしく、それどころか、買うつもりだったけど、これ読んだら買う気が失せたと思われるのが何より恐ろしい・・。
 読みどころとしては、なんと言っても森岡さんの話を引き出す手腕です。手腕というより、スマイルズの遠山正道氏云うところの「虎の赤ちゃんのような」森岡さんの眼に、各人の思いを引っ張り出されているといった感じでしょうか。12/15(火)〜20(日)に当の森岡書店銀座店で、『本と店主』の出版記念展示を行なうそうです。同書と共に、装画を担当した平松麻さんの原画が並ぶとのこと。ぜひ足を運んで、今の世に稀な資質の店主を目の当たりにしてください。その後は、どうか当店・書肆逆光にもお越しいただけましたら幸いです。


森岡督行 1974年山形県寒河江市生まれ 
2006年茅場町森岡書店オープンを経て、2015年に
一冊の本を売ることをコンセプトとした書店  
     「森岡書店銀座店」をオープン。今に至る。        

※肖像写真掲載につきましては、御本人の爽やかな承諾を得ております。



『本と店主』 森岡督行
誠文堂新光社 2015年12月12日発行 
撮影 萬田康文、松村隆史
装画 平松麻
ブックデザイン 新保慶太+新保美沙子(smbetsmb)
構成・編集 長井史枝
編集協力 齊藤美緒、五十嵐友美
プリンティングディレクター 栗原哲朗(図書印刷)
校閲 (株)ヴェリタ
発行者 小川雄一
印刷・製本 図書印刷 株式会社
1,500円+税









涙のWEB行商、冬。寒い季節に冷え枯れた品のご紹介です。


木原茶碗とピストル
ブリキと木でできた鉄砲。銃身横のハンドルは
動かず。引き金がかろうじて動くのみ。   

唐津と伊万里の中間のようなものを焼いて
    いた木原窯。これは伊万里寄りですね。    
                 窯の場所は長崎県の佐世保。              
   キズのひとつもあれば侘しさ倍増ですが、     
  本品は惜しいことに無傷。          
木原茶碗 江戸前期〜中期
口径10.6×高さ6.9×高台径4.5センチ
鉄砲 昭和    
 銃床〜銃口の長さ28センチ     






森岡さん





木原茶碗 SOLD OUT
   鉄砲 SOLD OUT   














2015年12月9日水曜日

凄まじき哉、人生!

12/25(金)〜29(火)は切ないぐらいに楽しいお買い物イベント
八丁堀バザール』を開催!しかも25(金)・26(土)はクリスマスシフトとして
21:00まで営業いたします。振る舞いワインもご用意いたしますので、
一杯飲んでから帰るつもりならば、ぜひ書肆逆光で!

11日(金)は仕入のため15時頃の開店です。
13日(日)は富岡八幡宮の骨董市に出店いたします。
15日(火)・16(水)は仕入のため休業いたします。


 先日の日曜日は久しぶりに大江戸骨董市への出店でした。しこたま儲けてビルごと買い上げれば、月々の家賃の支払いから解放されるじゃないか!といった夢物語は禁じ手にして、ひたすら堅実に現実的に売りに徹するというのが、今回の作戦です。というか、本来当店にそれ以外の作戦は存在しないのですが。
 荷解きをして陳列を終え、さて三箇日の目黒不動尊並みの人だかりができるか、と身構えるも皆さん素通り。どうも行き交う人々からあまり買い気オーラを感じることができません。これは商品構成を誤ったのか、はたまた年末商戦前の買い控え意識が働いているのか・・などと暫し自問自答を繰り返します。見てくださる方は「不思議なものを扱ってらっしゃるのねえ」とか「マリファナを吸っている人間が集めたかのような品揃えだ」といったことを口にされます。ポジティブシンキングモードに脳内を変換させれば、いくらでもいいように解釈できますが、実のところわけの分らない業者だということなのでしょう。
 いつにも増して家族連れが目立ち、手を引かれて歩く小さい人たちも、目に入ってくるあちこちに並ぶものに興奮して、パパやママに向かって何やら言っています。
「堀の手であっても、見所があれば問題ないよ」
「ものが無いとはよく言うけど、結局はその人次第だよね」
「クリスマスプレゼントは神護寺経経帙の組紐がいいな」
自己流で読唇したところ、どうやらそんなことを口にしているようでした。微笑ましい光景に暖まった心と吹き抜ける不景気の寒風で、プラマイゼロの停滞前線が発生したかのような行商なのでした。
 それでは今週もどうぞよろしくお願い致します。


今日は店内写真1枚だけです。気になって仕方がないといったものがございましたら、お気軽にお問合せくださいませ。

ファイバー製の箕、漆桶、鍛鉄の燭台、越後縮 sold out   
文机の天板 sold out、鏃 sold out、縄文土器片などが写り込んでいます。

箕は素材がケミカルなのに、縁が竹の野田口仕上げで
擦れ味も抜群という謎めいた品。燭台はこの高さが
珍しいですね。約73センチあります。漆桶もよくある
どっぷりと漆に固められたものではなく、樹皮の表面が
白く粉を吹いたようになって表情があります。赤石山脈
の麓あたりから出たものだそうです。        


2015年11月30日月曜日

寒DAY

12/25(金)〜29(火)はわけもなく楽しくなること請け合いのイベント『八丁堀バザール』が
当店にて開催されます。買い物納めはぜひ当イベントで!

12月1日(火)は仕入のため開店が15時頃になります。
ご了承くださいませ。

6日(日)は有楽町東京国際フォーラムで開催の大江戸骨董市に出店いたします。
そろそろ屋外での催しも過酷になる時期です。防寒対策を万全にしてお越し
ください。お待ちしております!


 先日の土曜日に隔月開催の詩のイベント『詩について・対話篇』の第5回目が、当店にて実施されました。5回も回を重ねると、場に何やら得体の知れない流れが発生しはじめるのか、かつてないほどの多様な作品が持ち込まれました。その証左として、会の始まる前に、いやにデカいブラックニッカのボトルがテーブルの上に置かれました。同居人が飲み過ぎで入院したために、取り急ぎ家にあるアルコール類をこの場で処分したいという、ある参加者の心温まる振る舞いによるものです。人間という存在は、何かイベントが催されたとして、初回からこのような行為には及べないものです。5回目が為せる業ではないでしょうか。この詩人が今回持ち込んだ詩は、素晴らしく素敵なものでした。ペットボトルサイズのブラックニッカの重々しさとは無縁の、ボエル&クロフブリュットロゼのごとく軽やかに疾走していきそうな詩です。といっても、そんなものは飲んだことがないので適当に言ってますが。それさえも5回目ゆえの戯れ言として許される気がします。
 そういうわけで、蒸留酒を嗜みながらの進行となったのですが、酔いにまかせて床に放置してある三つ目錐を振り回す詩人が出ることもなく、無事に終了。詩を実作していなくても参加可ですので、興味のある方は書肆逆光までどうぞ。主宰の古溝さんに取り次ぎます。
 小雪もそろそろ末候、外気もずいぶん冷たくなりました。忘れていたことですが、当店が入るこのビルは底冷えがひどいのでした。座りっぱなしだとお尻が凍ってしまいそうなので、店主が折を見て店内をランニングしていることもあるかもしれませんが、ご来店の際はどうか気にせずお入りください。今週もどうぞよろしくお願い致します。


涙のWeb行商です。本日は超雑器とでも呼びたい品をご紹介いたします。



『李朝白磁小皿』
後期〜末期 径10.7〜11.7センチ
      高さ3.1センチ

心躍る歪み具合。          
見込みから口縁に乗るように引っ付きが
あります。平盃にも使えそうですが、 
無理せずお新香などをのせてください。
             

カキンと堅い灰白色の焼き上がり。  
北鮮の出という感じです。      

おろし金に使えそうな砂高台。


 9,000円











                    
 

2015年11月24日火曜日

忍び

12月25日(金)〜29(火) 書肆 逆光にて『八丁堀バザール』開催。
心おきなく年を越すための楽しいお買い物イベントです。
年末の忙しい最中の開催、どうぞ今からスケジュールの調整を!

27日(金)は仕入と所用のため開店が15時頃になります。
28日(土)はイベント『第5回 詩について・対話篇』開催のため
店舗は16時までの営業となります。

なにとぞご了承くださいませ。


 リニューアルされた東京国立博物館の平成館考古展示室を見てきました。黄色い銀座線に運ばれて上野駅まで行き、階段脇の似顔絵描きの人々を横目に恩賜公園に突入。連休中日のせいなのか、上野の山はかなりの人出でした。曇り空に映えるイチョウ並木を過ぎると、噴水広場では「伊賀上野NINJAフェスタ」という非常に興味深いイベントが開催されていました。さっきから忍者装束の人たちが散見されるのには気づいていて、やはり三連休ともなれば、人は忍者の格好をするものだぐらいに思っていたのですが、実はこんなものが催されていたのですね。伊賀にまつわる食材を使った食べ物の屋台がたくさん出ていて、腹ごしらえの誘惑に駆られましたが、出店の多さに目移りして結局食べずじまい。食欲を耐え忍ぶ者ということで、自分もひとりの忍者になったつもりでトーハクに向かいました。
 毎度のことですが、展示室には欲しいものが盛りだくさん。リニューアル記念に好きなものをどれでもお一つお持ちください、といった館内放送が流れるはずもなく、ここでも物欲を忍ぶことを強要されたわけです。入ってすぐ正面には群馬県出土の国宝、挂甲武人の埴輪。これを丸々一体もらうのは、いくらなんでも図々しいし、帰りの電車賃が二人分かかりそうなので、せめて背中の靫だけでも欲しいと思いました。一部を除いて写真撮影可(フラッシュ不可)ですので、物欲を紛らすために適当に撮り散らしました。

挂甲の武人埴輪
大河原邦男がデザインしたかのような
 量感あふれるフォルム。       

岩偶、土板
鞄にいつも忍ばせていたい。

縄文早期の土偶
いつもポッケに土偶を。

制作途中の擦切磨製石斧
北海道出土 縄文早期〜前期
実際に手元に来たら扱いかねるかも
しれないが、ノートパソコンのように
小脇に抱えて外出してみたい。   

石人
胸打たれる格好良さ


南滋賀廃寺の蓮華紋方形瓦
いわゆるサソリ紋ですね。かっこいい。
押出蔵王権現像 
奈良県大峰山出土 11〜12世紀
あまりに切ない表情。
墨田・台東あたりの保育園児に
たまにこういう顔立ちの子がいる。
板碑の台石
ほんとに欲しいのか?と聞かれたら 
欲しい!と胸を張って答えたい一品。


思いのほかに見入ってしまったため、本館を廻る時間が削られてしまいました。閉館の案内が流れる中を音速のスピードで駆け抜けたので、アイヌ・沖縄のコーナーに何か素晴らしいものがあったのが視界に入ったのですが、よく分からないまま出口へ。たしかヒラメだかカレイを象った物体だったのですが・・。というわけで、後ろ髪引かれる思いでトーハクを後にし、再び上野公園の噴水広場に行くと、NINJAフェスタがまだ開催中でした。落下して踏み潰された銀杏と屋台の炭水化物類が入り混じった匂いに空腹を刺激され、唐揚げを買って食しました。忍者と唐揚げ・・何の関連性も見出せず、疑問符を背負ったまま銀座線で浅草へ。
 店が定休日で一切売上げがないにもかかわらず、またもフルーツパーラーゴトーへ行ってしまったのでした。この日のオーダーは甲州産百匁柿のパフェ(1,280円)。完熟のねっとりした柿とゴトー特製アイス&ソースの絡みが、立冬小雪の乾いた空気によく合います。と、適当な食レポを書いてしまいましたが、とにかく美味しい食べ物です。
 

目にも鮮やかな、まさしく柿色。


 それからいつものように隅田川沿いの、いつもそこにいて必ず触らせれくれる猫ポイントへ向かいました。肌寒いうえに、スカイツリーを撮影している人が陣取っていたので、今日はいないのではと思いましたが、あっさりいました。今のところ100%神話を維持しています。撫でさすってパフェで冷えた体を暖めてもらってから帰宅しました。平凡な一日でしたが、無事是名馬とジャイアント馬場もよく言っていたので、良しとします。今週もどうぞよろしくお願い致します。


爽やかWeb行商のコーナーです。柿にちなんで、柿の蔕茶碗でもご紹介したいところですが、無いものはいくら探しても無いので、あるものをご案内いたします。




朱塗の漆椀
江戸中期〜後期

本来は四つ組でしょうが、残念ながら
二の椀が欠けています。      

北陸あたりの作でしょうか。    
ケヤキと思われる堅木の木地に丁寧な
下地を施して上塗りされています。 


左:直径12.5×高さ8.1センチ
中:直径10.8×高さ3.5センチ
  右:直径9.8×高さ2.4センチ    

Sold





















 
 

2015年11月18日水曜日

Q

21日(土)はイベント『書物と音と旅を page4』開催のため
店舗の営業は17時までとさせていただきます。

28日(土)もイベントです。『第5回 詩について・対話篇』開催のため
店舗は16時でおしまいです。

なにとぞご了承くださいませ。


 「オバケのQ太郎」や「ウルトラQ」、「ベルトクイズQ&Q」に「エヴァンゲリヲン新劇場版:Q」。Qにもいろいろあるけれど、混迷の21世紀を生きる人類がまず思い浮かべるべきは「喫茶Q」なのかもしれない、ということを今回潜入を敢行して思い知りました。当ブログにおいても一度ご紹介している、現代日本では稀少種となったいわゆる純喫茶と呼ばれる形態の飲食店です。店内写真はネットでいくらでも検索できるので、あえて屋上屋を架すようなことはしておりません。というか、写真は撮り忘れました。

 



 喫茶Qの開業年は1972年とのことですから、今年創業43年を迎えます。目白の坂田さんが42年、大阪四天王寺の金剛組が1437年、八丁堀の書肆逆光が1年半であることを考え合わせると、何かしら感慨が湧いてくるかもしれません。湧いてこないかもしれませんが。たしか郷ひろみのデビュー年が同じ1972年です。もしや「GO」と「Q」が何かの符牒を表しているのでは?と考えを巡らしてみましたが、特に思い浮かぶことはありませんでした。
 今回はオニオンライスをオーダー。玉ねぎをライスと炒め合わせた食べ物であることは想像できますが、さて出てきたものは、玉ねぎをライスと炒め合わせたものでした。見事なまでのそのまま感といい、立地の物陰感といい、自分にとって強いシンパシーを感じさせずにいられない要素のみで構成された喫茶店です。この近くで古物の商いをしている者だと話し、収支の帳尻がどうなっているのやら、さっぱり分からないまま生きていると言うと、マスターは「まあ商いってのは、続けていればなんとか転がっていくものだよ」と朗らかに言うのでした。
 この先、何十年か転がり続けても平気なぐらいに三半規管を鍛えなければならないと思った日でした。今週もどうぞよろしくお願い致します。


 本日は喫茶店を始めたくなった人向けのお品のご紹介です。

『茶漉し』
ティーストレーナーとも呼びますね。
平たいのと丸いの。


柄の長さ8.7センチ、網の直径5.3センチ
網の深さ1.2センチ          
       SOLD OUT        


紐から輪まで12.5センチ      
網の直径4.3センチ、網の厚さ3センチ

SOLD OUT





『瀬戸太白手蕎麦猪口』

コーヒーには合いそうです。   
紅茶を淹れると安い焙じ茶に見えて
   しまう危険がありそうです。      



口縁の欠けキズの金直し6箇所

SOLD OUT

『日蝕』能村潔
薔薇科社 1957年6月15日
限定200部内198番 経年ヤケ
喫茶店といえば詩集。
見返しに「過去は、戯悪の皺から覗く。 潔」

 能村潔は1900年福井県生まれ    
國學院大學国文科で折口信夫に学ぶ

1,400円

 
 

2015年11月11日水曜日

茶と絢爛

13日(金)は所用と仕入のため開店が15時頃になります。
14日(土)・15日(日)は催事手伝い要員として出動しますので
店舗はお休みいたします。

21日(土)はイベント『書物と音と旅を page4』開催のため
店舗営業は17時までとなります。

なにとぞご了承くださいませ。


 中央区に点在する古道具屋を繋ぐイベント『点店2』が8日に終了しました。会期中はたくさんの方にお越しいただき、お蔭さまで中央区の路地裏が杉並区〜武蔵野市界隈のような活気を見せていました。などと言うと不当表示防止法にひっかかりそうなので、そこまでは言わないにしても、ふだんは静寂に包まれた通りに人の気配を感じることができたのは、本当に有り難いことでした。4店舗すべてを廻られた方も多くいらっしゃったようで、感謝の念に堪えません。また、販売促進にご協力いただいた方々にもこの場を借りて御礼申し上げます。今後も『点店3』『点店4』『点店 怒りの脱出』『点店と炎のゴブレット』等々、能う限り続けていきたいと思っておりますので、なにとぞご支援のほどよろしくお願い致します。
 持たざる者の宿命として、年内はいろいろと立て込んでおります。本当は暇なくせに、世間に同調するためにわざと忙しぶっているわけではなくて、実際わりと計画が埋まっています!何かしなければならないことがあるのは、悦ばしいですね。
 特に今年最後のイベントとして、『八丁堀バザール』が控えています。いったいそれは何なのか?共同開催者の長谷雄堂さんがブログ「日々帖」で先に概要をアップしてくださったので、まずはご覧ください。長谷雄堂&逆光とは、なにやら随分とチグハグな組合わせに思われるかもしれません。これは、世界最強タッグ決定リーグ戦でジャンボ鶴田が、谷津嘉章の離脱後のパートナーに田上明を抜擢した事態に似ていると言えば分かりやすいかもしれません。田上の戸惑いを追体験できるとは、当店にとっては得難いことです。来週中頃からWebで情報を少しずつ上げていきます。
 というわけで、世間並みに年末商戦を迎えつつあるような気がしないでもない当店を、今週もよろしくお願い致します。



ロータス・ブルーさん去りし後、再び茶色っぽく
なった逆光店内。新入荷も混じってます。何か気に
なるものがありましたら、ご遠慮なくお問合せを。
『八丁堀バザール』ではきらびやかになる予定です。





 
 
 

2015年11月5日木曜日

青光逆蓮亭日誌

ただ今、中央区に点在する古道具屋を巡り巡るイベント『点店2』を
開催中です。晩秋の空の下、中央という名の辺境を彷徨いつつ、点を
繋いでください。8日(日)までの開催です。

9日(月)は展示の撤収作業のため店舗はお休みさせていただきます。


 1日日曜日より『点店2』が始まっております。始まってしまってます。何かの因果によって手元に集まってきた物をお披露目する場として、中央区の古物業者たちが泣きながら談合を繰り返した末に開催にこぎ着けたこのイベント、幸いなことに前回の開催で好評をいただき、図に乗って2回目を実施する運びとなった次第です。
 今回当店は、列島震撼の泣けるブログ「青蓮亭日記」でおなじみ、ロータス・ブルーさんとの共同展示です。店主の渋谷さんの商品陳列術を盗むため、展示構成はほぼ全てお任せしました。これは、広告や一部建設業界に蔓延する一括丸投げなどでは決してありません。物を並べるという行為は、空間把握やゴールデンラインの取り方など、その人の身体感覚が如実に反映しますから、各人が好き勝手に並べるよりは、いっそ一人に任せきった方がよいという深い考えに基づいています。渋谷さんが四方八方動き回って、その物がいちばん輝く場所を探している姿を、逆光店主は後ろから甘栗やじゃがビー(ハーブソルト味)を食べながら見守っていました。
 会期中はレイアウトを変えて展示の鮮度が落ちないようにしていますので、ぜひ何度か足をお運びください。「並び方を変えたぐらいで誤摩化されないぞ!」と思われるかもしれませんが、商品も随時少しずつ追加しております。「あるなら始めから見せろ!」と思われるかもしれませんが、日々の涙の結晶をおいそれと表に出せない葛藤をご理解ください。
 また、4店舗のスタンプを集めると、お好きな店のお好きな品を合算2千円以上お買上げで500円割引、という企画も思いのほか好評をいただいております。特にポケモンラリーに想を得たわけではないとはいえ、こんなことならJR東日本に断りを入れておけばよかったと思ったぐらいです。
 というわけで、4箇所7店舗の古物業者が各店で皆さまのお越しをお待ちしております。どうぞよろしくお願い致します。


よく知っているもの、得体の知れないもの、
いろいろと並んでいます。        





気になるものが写り込んでしまっていたら
お気軽にお問合せください。