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2015年2月16日月曜日

力への意志

20日(金)は仕入のため開店は13時30分になります。
21日(土)も仕入です。15時頃の開店になるかと思います。
なにとぞご了承くださいませ。


 二日間店を閉めたうえに、収入源の大江戸骨董市までも休んだのは、夜逃げの画策をしていたわけではなく、「gellery's eye 選ぶ力」というイベントの手伝いに出ていたからなのでした。工芸やアートを扱う10軒のギャラリーが、元麻布のカイカイキキギャラリーを会場として、招待日を含めた3日間、各々が推す作家の作品を展示販売する催しです。集まるギャラリーは名だたるところばかりですが、単なるオールスター勢揃いの販売促進企画ではありません。イベントタイトルにある「選ぶ力」には、情報流通の発達やフェアの広がりによって、大きく一般に膾炙した器や工芸への視線を見直す作業が含まれています。裾野が広がれば起こるであろう作り手と買い手の馴れ合いに、両者を仲介するギャラリーがどう対していくのかという問題が提起されているわけです。この催しは工芸美術販売の歴史に刻まれる出来事ですから、動員数や売上の多寡だけで判断されるものではないでしょう。これから時間が経つにつれて、徐々にその意義が浮かび上がってくるのだと思います。
 と、知ったふうに書いておりますが、当店は手伝いと言っても、受付でぼんやりと佇んでいただけだけです。出店ギャラリーが錚々たるメンツなだけあって、来場する人たちの雰囲気も相応に華やかに見えました。少なくとも神田の古書即売会に足を運ぶ人とは、相当に違うようです。関心領域の差が見た目の違いとなって顕われることはあるでしょうから、単純に言い切れる話ではありませんが、なんとなく格差という言葉が頭に浮かんできて、これはすぐさまピケティを買って読まねばと思った次第です(ウソ)。
 仕事を抜け出して覗き見した範囲ですが、今回驚いたのが樋渡賢(ひわたし けん)という蒔絵の作家。やや内抱えの薄作の木地に丹念に塗られた漆に、金や貝殻によって意匠が施されているのですが、それが凄まじいまでの超絶技巧。ふだんはこのような上手ものに食指を動かされることはないのですが、どういうわけか気になって物欲しそうに眺めていたところに、樋渡さん本人がいらして、いろいろ話を伺うことができました。こういうものを作るには、やはり最上級の材料と道具を揃えなければできないとのこと。その小さな漆の盃を見ていると、すべての素晴らしい良きものがそこに集約されているように思えてきたのでした。







搬入日の準備風景
うつわノートと季の雲

こちらも準備中
桃居とJikonka Tokyo

DEE'S HALL



展示風景
比較的空いている時間帯です

こちらも空いたところを見計らって
撮った一枚           

オープニングパーティーでギリシャ料理をふるまう 
プラグマタのオーナー、ペトロス・テトナキス氏  




うつわノート、桃居、yamahon、feel art zeroの
オーナー各氏と陶芸家小野哲平氏によるトーク




撤収中


会場で販売したこの冊子は、各ギャラリーで
取り扱います。当店にも少部数入荷予定。 
税込800円  








 

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