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2015年6月19日金曜日

名づけえぬもの

君たちの歴史はもはや分かりすぎている
               ----------世界革命戦争宣言

花をみて風をみて目をそらさず
           -----------原田知世

ラッキーセブンの5
      ----------具志堅用高
 

 中央区日本橋茅場町某所にて開催されている怖るべき展示即売会「BEYOND LIVE AND EVIL」を皆さんはご覧になったのでしょうか。証券金融の街が、その場所だけ俄にケ・ブランリー状態に様変わりしており、敏感な人であれば、局所的な時空間の歪みを察知せずにはいられないはずです。現在開催中の「点店」は、そもそもこの展示の開催に合わせて発案された便乗企画と言っても過言ではありません。
 中に入れば、18世紀英国のシルバーカトラリーやサルグミンヌ窯の花形リム皿、オールドバカラのステム付グラスなどが透明な光彩を放って可愛げに並んでいる、ということは一切なく、鬼面や呪符や地獄絵図、不動明王のレリーフや牛糞で作られたという仮面が、禍々しい波動を発しながら鎮座しているのを見ることでしょう。それらの物には一応、マリア観音だとか雨乞いの奉納具といった名前が付けられてはいますが、それもいかにも便宜上のことであって、いったいなぜこの世に生まれてきたのか、自分たちは与り知らぬといった風情でそれらは並んでいます。
 この展示会は、価値あるものを集めて、その大系のヒエラルキーを理解すれば見たことになるというものとは一線を画しています。どうしていいか分からずにいる物たちと一緒になって戸惑うしかないでしょう。全人類必見の「BEYOND LIVE AND EVIL」は20日(土)まで。それに絡めて「点店」の各店もどうぞお廻りください。八丁堀のゆで太郎で昼食をお考えの方は、土曜日は15時で終了なのでご注意くださいませ。書肆逆光は焼き物を追加で入荷いたしました。二度も足を運ぶつもりは無い、と思っていらっしゃる方もお考え直しいただければ幸いです。






























 

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