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2015年12月14日月曜日

ザギンの人

12/25(金)〜29(火)は激動の時代にひとときの安らぎを提供するイベント
八丁堀バザール』を開催!来るべき2016年に向けて心に残るお買い物を
お楽しみください。

15日(火)・16日(水)は仕入のため休業いたします。毎度泣きながらの仕入ですので
今回は涙をこらえて挑みます。何が買えますでしょうか。


 たいていいつもそうであるように、その日も店でひとりぼっちのラグジュアリーな時間を過ごしていると、一人の青年が飛び込むように店内に入ってきました。以下、その時のやり取りです。

「私、ここの新しい店名を考えたんですよ!」
「え?」
「逆境です。書肆逆境。」
「え?」
「もしくは逆ギレ。いや、逆噴射?あるいは逆襲・・。」
     (間)
 青年、ソファに腰を下ろしながら、
「いやあ、どうですか、最近。」
     (間)
「甘栗、食べますか?」
「な、なんですって!?」
「甘栗。」
「甘栗ですか!はい・・、甘栗・・。」
 店主、青年に甘栗を皿に盛って差し出す。
 青年、モリモリ甘栗を食べながら、
「逆境かあ。いいですよねえ。逆境・・。」
「逆子。」
 青年、とつぜん笑い出す。
「逆子!逆境!逆光!逆ギレ!」
 青年、甘栗を食べる手を早める。
「私、これから店に戻らなければいけないんです。」
 おもむろに立ち上がり、店から退場。

 この意味不明の掛け合いの相手こそが誰あろう、森岡書店銀座店の店主・森岡督行氏で、氏は今月初めに誠文堂新光社より『本と店主』という本を上梓しました。個人経営の店主13人から、本にまつわる話を森岡さんが対談で聞き出すという体裁を取っていて、あろうことか当店も掲載の栄にあずかっているのです。それで少しは販売促進のお手伝いをと思っているわけですが、このブログが拡販の足しになるのか甚だ疑わしく、それどころか、買うつもりだったけど、これ読んだら買う気が失せたと思われるのが何より恐ろしい・・。
 読みどころとしては、なんと言っても森岡さんの話を引き出す手腕です。手腕というより、スマイルズの遠山正道氏云うところの「虎の赤ちゃんのような」森岡さんの眼に、各人の思いを引っ張り出されているといった感じでしょうか。12/15(火)〜20(日)に当の森岡書店銀座店で、『本と店主』の出版記念展示を行なうそうです。同書と共に、装画を担当した平松麻さんの原画が並ぶとのこと。ぜひ足を運んで、今の世に稀な資質の店主を目の当たりにしてください。その後は、どうか当店・書肆逆光にもお越しいただけましたら幸いです。


森岡督行 1974年山形県寒河江市生まれ 
2006年茅場町森岡書店オープンを経て、2015年に
一冊の本を売ることをコンセプトとした書店  
     「森岡書店銀座店」をオープン。今に至る。        

※肖像写真掲載につきましては、御本人の爽やかな承諾を得ております。



『本と店主』 森岡督行
誠文堂新光社 2015年12月12日発行 
撮影 萬田康文、松村隆史
装画 平松麻
ブックデザイン 新保慶太+新保美沙子(smbetsmb)
構成・編集 長井史枝
編集協力 齊藤美緒、五十嵐友美
プリンティングディレクター 栗原哲朗(図書印刷)
校閲 (株)ヴェリタ
発行者 小川雄一
印刷・製本 図書印刷 株式会社
1,500円+税









涙のWEB行商、冬。寒い季節に冷え枯れた品のご紹介です。


木原茶碗とピストル
ブリキと木でできた鉄砲。銃身横のハンドルは
動かず。引き金がかろうじて動くのみ。   

唐津と伊万里の中間のようなものを焼いて
    いた木原窯。これは伊万里寄りですね。    
                 窯の場所は長崎県の佐世保。              
   キズのひとつもあれば侘しさ倍増ですが、     
  本品は惜しいことに無傷。          
木原茶碗 江戸前期〜中期
口径10.6×高さ6.9×高台径4.5センチ
鉄砲 昭和    
 銃床〜銃口の長さ28センチ     






森岡さん





木原茶碗 SOLD OUT
   鉄砲 SOLD OUT   














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