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2016年7月28日木曜日

能登の黒塗椀

 漆器には平凡社の陶磁大系のような資料がないので、この手の椀は名づけえぬもののまま市場に流通しています。根来や秀衡椀のように、ブランド化して世の価値体系に登録されていれば、少しは売り口上も思いつきそうですが、ただ黒いばかりで、取りつく島のないほど地味なので、何をどう言ったものでしょうか。北陸から出たとのことなので、いずれ輪島か合鹿だろうとあたりを付けてはみましたが・・。
 合鹿椀というと、一般に渋下地に口縁を布着せして、漆を2回ほど重ね塗りしただけの粗野な味わいのものですが、商品は下地もしっかりとしてる上に厚塗りです。もしかしたら、素朴な技法で作っていた集落に輪島の職人がやって来て、「これを使えばもっと丈夫なお椀ができるよ!」とか言って、下地用の珪藻土を分けてくれたのかもしれません。そうして堅地で仕上げたのがこの椀という妄想。木地取りの厳しさや漆の質から見て、江戸初期ぐらいはあると思いたいものです。が、実際に輪島と合鹿近隣との交通の産物と見るなら、18世紀前期あたりのものでしょうか。判然とせずに恐縮ですが、ものすごくカッコいい、古手の漆器における名もなき名椀だと思います。


椀相だけ見てると、東北のようにも思えてきます。   
それにしても素人が漆器を撮るのは、ヤマ勘で司法書士に
受かるより難しいのではないでしょうか。       
拙い写真で申し訳ありません。            

以下二枚、柳田村発行『合鹿椀』より。
渋下地に漆をザッと塗っただけのガサガサした感じ。    
いわゆる合鹿椀というと、この形と塗りのイメージですが・・。
          

実際にはこの本で第六期に分類されているこの手が
遺っている中では一番多いそうです。      
下地に地の粉を使っているようで堅牢に見えます。
   塗り肌は商品の雰囲気に近いような気がしますが、   
どうでしょう。                


見込みです。なんだかよく分かりませんが。
使い込んだ漆のヤケと断文があります。  


口縁一箇所、塗りの割れあり。

                     直径13.9〜14.1、高さ8.4、高台径7.1〜7.3センチ             
 sold        







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