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2016年8月16日火曜日

際よ際よもキワのうち

17(水) 所用のため14時半の開店です

18(木) 展示搬入休
19(金)〜21(日) nest(ネスト)/noeud(ヌー)/書肆逆光の3業者による古物の
企画展『キワッキワのど真ん中』を開催。

22(月) 宮城に出張のためお休みです
25(木)・26(金) 仕入のためお休みです

インスタグラムで店内の商品を紹介しております。こちらから→👃
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 今回もまた19日からのイベント『キワッキワのど真ん中』の宣伝です。ここはひとつ古物業界のジェイ・ウォルター・トンプソンとなって、世界中に認知してもらえるぐらいの販売促進力を誇示したいところですが、実際は都内近郊のせいぜい30人に届いているのかどうか。スモールビジネスとはいえ、あまりスモール過ぎると今後の生存に支障を来すので、なんとか多くの人に知っていただけることを切に願っております。そして例によって商品紹介です。二人から送られてきた写真には、やはり何の説明もなし。写真で一言的な大喜利企画ではないので、なるべくキャプションには正確を期したいのですが、どうもそこは譲らないようです。美に言葉はいらないという方向性を間違って解釈している世代なのでしょうか。
 

まずはnestさんの品物。
海洋堂のフィギュアにしては作行きがユルいように   
見えます。盆景の人形でしょうか。なんであれ、ある種の
 古物商の、数を集めないと気が済まないオブセッションって
どこから来るのでしょう。              

厨子でしょう。よもや弁当箱ではないと思います。
 薄い作りなので、出し巻き卵やウインナーなどを入れる
 おかず箱にしてもカッコ良さそうです。       
人形です。としか言いようがありません。こういうのは  
郷土玩具なのか民間信仰遺品なのか。そのうちSezuan氏を
招来して、よく分らないもの講座を開きたいですね。  

ここからnoeudさんです。
これも紙です、としか言いようがない・・。学校行事に
欠かせない花紙にも見えますが、だとすると、その手の
催しが不得手だった人間にとっては、トラウマグッズ 
でしょう。                    

箱であることは間違いないようですが、何が入って
いるのでしょうか。万札だったら胸がときめきますが、
仮にそうだとしても、それが自分の物になるわけでは
ありません。                   
以下、逆光です。
昭和初め頃の上野松坂屋のデザインチームが定期購読
していたドイツの美術雑誌「DIE KUNST」のファイル
です。アールデコからモダニズムの過渡期の家具や建築
が多数載ってます。                

三島茶碗の見込みです。ポスカの白で仁寿府とか
書き込んでおいたら、礼賓手として通用しそうな
  ぐらいの上手ものです。             


小田原湾のブリ漁で浮子として使っていた竹を
垂撥に仕立てたもの。珍品といえば珍品です。

下から、帽子を作るときに使う台?フランス産。
漢方薬の薬材を粉にひく薬研車。体が資本の  
古物商必携の腹筋ローラー。         


 というわけで、どうなんでしょうか。多少なりとも皆さんの物欲を喚起することができているのでしょうか。人の数だけ欲望があるのならば、できるだけ多くの方にご覧いただきたいと思っております。なにとぞよろしくお願い致します。





2016年8月13日土曜日

キワキワ畑でつかまえて

14(日)・15(月) 夏休みをいただきます

18(木) 展示搬入休
19(金)〜21(日) nest(ネスト)/noeud(ヌー)/書肆逆光の3業者による古物の
企画展『キワッキワのど真ん中』を開催。

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 夏枯れさなかの食い扶持にすべく、19日からのイベント『キワッキワのど真ん中』を必死に宣伝させていただきます。nest・noeud両氏にまた商品の写真を送ってもらいました。若さゆえの奔放さなのか、ただの職務怠慢なのか、今回も商品に関する文言は一切なし。貴様が自分で調べて、売れそうなキャプションを勝手に書いておけという流れでしょうか。というわけで、以下出品予定商品です。


まずはnoeudさんの品物。           
亀の甲羅に見えますが・・。アカ、シロとあるのは
色分けの指定でしょうか。頭部のクロシユスが黒繻子
を指すのだとすると、何か着物的なアレをどうにか
するもののような気がします。もしかしたら、ただの
塗り絵かもしれませんが。            


これは裁付(たっつけ)でいいと思うのですが、素直に
信じると裏をかかれるかもしれません。これ、エビピラフを
作る道具なんですよ、とかnoeudさんなら言いそうです。
ただでさえ分からないのに、部分をアップにされたら
なお分かりません。木の円盤に取っ手が付いてますが・・。
服飾関連が続いているので、これもそうでしょうか。
ものすごく大きなペンダントトップとか。     

ここからnestさん。
古んれい(婚礼)吉とかたびだち凶とか書いてあるので
おみくじだろうと察しはつきますが、こういう品が
世間にどれほどのニーズがあるのか。nestさんは気にせず、
こういうの嬉々として集めてきますね。     
だからなぜアップで写すのでしょうか。分からないと
言ってるのに。モール素材の鳥に見えますが、実は
これもおみくじなんですよ、とnestさんは言うかも
しれません。                  

以下、逆光の品物です。
ただの木片に見えますが、仏教美術関連の残欠だ
そうです。槍鉋だか何だか、刃の跡が伺えます。
木目の詰まりから、平安はありそうだと聞いて
いますが、果たして。            

フィギュア各種。浦安的なドリーム感をセットアップした
つもりでしたが、場末の遊園地のようになってしまいました。

 以上、如何でしたか。これは何を差し置いても真っ先に駆けつけなくては、と思われたか、暑いから家で寝ていようと感じたか。強制的に足を運ばせる権利を何ら有していないので、皆さまの好意に満ちた意志を尊重するしか手立てがありません。心よりお越しをお待ちしております。






2016年8月11日木曜日

際々の中心で何かしら叫ぶ

14(日)・15(月) 夏休みをいただきます

18(木) 展示搬入休
19(金)〜21(日) nest(ネスト)/noeud(ヌー)/書肆逆光による古物の企画展
『キワッキワのど真ん中』を開催。

インスタグラムで店内商品を紹介しています。気になるものがございましたら
お気軽にお問い合わせください。こちらから→👃
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 19日から始まるイベント『キワッキワのど真ん中』に出品予定の商品写真が、nest・noeudの両氏から唐突に送られてきました。というか、ブログで紹介するから何か見繕って送ってくださいなと言ったのは、こちらですが。しかしそれらの写真には一切の説明は無し。古物商なんだから、物の名前と由来ぐらい自分で考えろと言わんばかり。降って湧いたような禅問答、八月の解けない謎、21世紀のオーパーツ。というわけで、各出品物を思いつきで解説してみます。


 金魚だと思いますが・・。ただ赤いからそう見えるだけで
実はタナゴかもしれません。色鮮やかでカワイイのに、
nestさんの手にかかると、仄かに不気味さが漂いますね。

女系の面に見えますが、実は菓子型だったという
可能性はあるでしょうか。表面の剥離がいい具合です。
ここからnoeudさんの品物。マルジェラの足袋ブーツを
履き込み過ぎたら、こんな姿になってしまったという
感じです。                   

これは一目瞭然、つくば万博のコスモ星丸です。と
思っていたら、noeudさん本人はバボちゃんという見解
でした。                    

これはカッコいいですね。ポール・ハーデンの今期の
コレクションと言っても通じそうです。           
小さくてカワイイものをたくさん並べてみるという
衝動はどこから生じるのでしょうか。起き上がり小法師
なんでしょうか。転んだら二度と起き上がらなさそうな
風体ですが。                  

以下、逆光です。いやに長い火箸。40センチ
あれば長い部類ですが、これは58センチあります。
火元から距離を取らなければならない事情が 
あったのでしょう。            

秘密の小箱といった雰囲気ですが、健身球という
名で売ってる中国の健康用品です。鳳凰と龍が 
描いてあって景気が良さそうです。      

アカマツを彫って作られた寿老人ですね。
長寿の神様ですが、むしろ見るたびにHPを
削られそうな禍々しさがあります。とある市で
  見かけて、こんなの誰が買うんだと思いましたが、  
結局自分が買いました。         

 以上、まったく何の解説にもなっておらず恐縮です。研ぎ澄まされた感性、とかいったものとはまた別個の能力を駆使して集めてきたような物が並びそうです。お盆明けで、そろそろ何かおもしろい物が買いたくなってきたなー、という皆さまに最適のイベントです。ぜひお運びくださいませ。

2016年8月8日月曜日

無為徒食〜さよなら、ミッドサマー

14(日)・15(月) 夏休みを取ろうと画策中です。

18(木) 展示搬入休
19(金)〜21(日) nest(ネスト)/noeud(ヌー)/書肆逆光による古物の企画展
『キワッキワのど真ん中』を開催。

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 俗に道具屋のパフェ倒れなどと言って、身に過ぎた奢侈を戒めたりするものですが、とはいえ、時には自棄パフェと称して、世知辛い渡世に少しは抗ってみたくなるのが人情です。
 日曜日は東京国際フォーラムの大江戸骨董市に出店してきました。灼熱の中での、文字通り命を賭けた行商を覚悟していたのですが、会場は風が抜けて、思っていたよりは過ごしやすい半日でした。しかし生命的な危機を脱しても、経済的な方は依然回復基調とは言えません。夏枯れによる風前の灯。八丁堀に死す。たとえば僕が死んだら。逆光 怒りの脱出。などといった言葉が、行く先も知れず胸を去来します。何はともあれ、暑いさなかに足を運んでくださった皆さまには、心から感謝申し上げます。
 そして、撤収後は浅草のフルーツパーラーゴトーへ。相変わらずの混みよう。列について注文品が出てくるまで小一時間ほどでしたが、体感的には2年ぐらい待たされた感じです。桃パフェの気分で出向くも、メニューに桃の記載なし。まさかの売り切れ?と思いきや、追熟中の分を若干数確保と端に小さく書かれています。この際、完熟でなくとも構わず。多少ガリガリしていても、そういう果物だと思って食えばいいじゃないか、という心づもりでいたら、出てきたのはすでに柔らかさも甘みも香りも十分なものでした。これで熟しきったとなると、一体どんな食べ物になってしまうのかと空恐ろしくなったのでした。
 それから、隅田川沿いの猫に暑中の挨拶に出向き、暮れゆく夕べの空の下をぶらつきながら家に帰って、真田丸をつけっ放しにして作った粗食をモリモリ食べて一日は終了。どこにも財を成す気配は漂っていないのでした。今週もよろしくお願い致します。


桃は山梨産の「なつっこ」。1,230円(税込)
当店の資産の数々。但しこれを現金に換えなければ
現代社会では生存が困難に。          
隅田川沿い公園前在住の猫。

呼べば必ず寄って来る猫というのは、仕入れれば
右から左に動く品物より得難いかもしれません。

下町の宵の空。
椀二つのみの極度にミニマルな食事。
豆類としらすをぶち込んだ「しらすかちりご飯」。
飯椀 小野寺公夫 汁椀 相田啓介 
箸 山岸厚夫 箸置き 原朋子






2016年8月4日木曜日

めし喰わにゃならぬ

5(金) 午前中出張のため15時からの開店です
7(日) 有楽町東京国際フォーラムの大江戸骨董市に出店いたします

14(日)・15(月) 夏休みをいただきます

18(木) 展示搬入休
19(金)〜21(日) nest(ネスト)/noeud(ヌー)/書肆逆光による古物の企画展
『キワッキワのど真ん中』を開催。

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 古物などを売買して口を糊しようという人間は、ややもすれば衣食住にはなるべく金をかけずに済ませたいと思いがちです。しかし、全裸のまま青空の下を霞を食って生きていくのは、法的にも生物学的にも困難であるので、仕方なく服を着て靴を履き、家賃を払い、ご飯やパフェを食べるのです。そして唐突ですが、昨日のお昼ご飯を紹介いたします。プラスチックケースに入った500円のお弁当を、少しでも見映えよくしようという試み。ご飯やおかずをそれぞれに見合った器に移して、枯淡の域に達した定食を演出するのは、最上の茶箱を組むより至難と言われています。しかし「私にとって困難な事は、私にとって幸福な事である」というヴァレリーの言葉に倣って、その難事にあえて挑戦してみました。
 
ご飯:木原茶碗 トンカツ:伊万里の型皿
卵焼きその他惣菜:初期伊万里小皿(sold)
ペットボトルの緑茶:フランスの古いコップ(sold)
箸置き:瀬戸黒陶片 敷物:縞木綿のハギレ 
元はこれです。宝町駅にほど近い場所にワゴンで
売りにくるお弁当屋さんのトンカツ弁当。   

俯瞰図。主婦と生活社のお弁当本に
出てきそうな構図です。     
ざっくばらんな銀直しの木原茶碗に、のりたまと
カリカリ梅干しの乗ったご飯。戦慄が走るほどの
侘び。                   
こんな器です。
ひっくり返すと、こんな感じ。


 というわけで、特に誰も知りたいわけではないだろう、古物商のある日の昼ご飯をお披露目いたしました。こうして器に盛り直すと、味気ないプラケースの弁当が、菱岩の仕出しぐらいにグレードアップして見えないでしょうか。かえって侘しさが倍増した気もしますが、それもまたいいものです。ぜひお試しください。













2016年8月1日月曜日

一か八か二か八か

8/5(金) 午前中出張のため15時からの開店です
8/7(日) 有楽町東京国際フォーラムの大江戸骨董市に出店いたします

8/19(金)〜21(日) nest(ネスト)/noeud(ヌー)/書肆逆光による古物の企画展
『キワッキワのど真ん中』を開催。

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 小売りにとって最大の壁、八月がやってきました。いわゆる二八(にっぱち)と言えば、物が売れなくなる、販売業に非常な苦戦を強いる月ですが、だとしたら、昨今は毎月が二八と言っても過言ではありません。それが分かっていながら無為無策でいられるはずもなく、故に月末月初にかけてささやかな割引セールと、中旬過ぎにはイベントをひとつ組み込みました。なにか月次対策を無理やり書かされる中間管理職の悲哀が漂っていますが、このまま野垂れ死にするわけにはいきません。『キワッキワのど真ん中』は、そんな八月の光が降り注ぐなかで行われる一か八かのイベントです。今回タッグを組むのは、カール・ゴッチばりの妥協なき仕入スタイルで業界を震撼させるnestさんとnoeudさん。二人の品物に合わせて恥ずかしくない物を集めてこなければいけません。やはりまた泣きながらの仕入となること必至です。
 そして10月にも作家の個展がひとつ決まっております。先日、そのDM用の写真撮影を当店にて行いました。素材はブツ撮り泣かせの漆器。ただ撮っただけでは、店内の商品や什器類、向かいの山口封筒店のビル、あの夏の思い出など、表面にいろんなものが写り込んでしまいます。それを阻止するためのデザイナー・カメラマン両氏の四苦八苦は、まさにプロフェッショナルの姿であり、それを間近に見て、なんかちょっとホントに自分もアレだなあと思いを新たにした次第です。
 世界規模の変革を肌で感じる日々ですが、まずは今週もよろしくお願い致します。

店内での撮影なので、自然光をトレーシングペーパーで
調整しなければなりません。            

小野寺公夫さんの朱塗大鉢。展示の詳細は徐々に明らかに
していきます。